カヲル
 

僕は

自分の意思で
死を選んだ


生きるべき存在がどちら側か
ハッキリと 分かったからだ


シンジ君

君はまたひとりでうつむいて
黙って座りこんでいるんだろうか


君は
泣いているんだろうか

僕は心配だ
僕は君を苦しめるために消えたんじゃない


だけど君は・・

君は優しいから・・
きっとずっと下を向いて 僕を手にかけたことを
数珠玉のように反芻し続けるに違いない


僕は心配だ
僕は君を苦しめるために消えたんじゃない


覚えているかい
「僕は君に逢うために生まれてきたのかもしれない」、
と君に言った言葉を。


シンジ君
どうか 強くなって欲しい

誰よりも強くなって欲しい

優しいだけじゃだめだ。
ガラスのように繊細な君は
すぐに粉々に壊れてしまいやすい



綾波レイ。―僕の分身―
どうか彼に・・ シンジ君に伝えてやって欲しい

僕は君を苦しめるために、
もしくは君を哀しませるために、
あるいは君を悩ませるために
君の手にかかって死を選んだのではない、と―

君に逢えて嬉しかった、と―


そして
誰よりも強くなって

自分の進むべき道をまっすぐに
迷わず突き進んでいって欲しい、と―