陰陽
 

エヴァの世界ではいわゆる "対比" の要素が色々と含まれている。

代表的な対比の例は「ファザー・コンプレックスを抱える自信喪失男性・シンジ」と「マザー・コンプレックスを抱える自信過剰女性・アスカ」の2人であるが、
更にここに「カヲルとレイ」を加えてみる。

シンジ・アスカは "太陽" の象徴、
カヲル・レイは "月" の象徴であると考える。

・OPの終わりの部分で太陽の光を眩しがっているシンジ

・赤いプラグスーツをまとい、死の淵から何度も甦るアスカ
(不死鳥・フェニックスは死ぬ際に太陽に飛び込んで復活する赤い鳥。アスカは不死鳥を思わせる)

・OPの始まりの部分で月をバックに登場するレイ

・白い肌・赤い目を持つカヲル
(白くて赤い目=月のうさぎを連想させる)

このように、「太陽」と「月」がことごとく対比している。


"月"は西洋では「原罪を背負った人類が永遠に戻れないところ(=楽園、エデン)」の象徴とされている。
Fly me to the moon(私を月に連れていって)は、色々ある言葉なのかもしれない。

そして "太陽" は人類が新しく希望を見出すところの象徴なのかもしれない。

人類が永久に戻れないところ(月)にいる旧世紀のアダムとイヴ
=カヲル・レイ

あたらしい幕開けを思わせる朝日(太陽)をバックに生き残った新世紀のアダムとイヴ。(映画版において)
=シンジ・アスカ
 

太陽と月、陽と陰。

凪と波。

双子の父と母が双子の子供を新世界に導き、そして最後に消えました。

波間の影に。