翡翠の瞳
・・・ザックスは上機嫌であった。
「へへっ、俺もやっとソルジャー1stに昇進したんかーっ♪」


ソルジャーには3つの位があり、3rd、2nd、1st、と上がってゆく。

昇進するのはとても難しく、神羅が用意したモンスターと闘わせ、その後に神羅についての試験をクリアーにパスした者に昇進できる。

いわゆる、文武両道を極めつくした者のみがソルジャーになることができる。


鼻歌をしながら神羅カンパニーを出、スラム街に出る。
前から見たかった映画を観ようと思ってハッと気付く。

・・・ひとりで行くのか?(汗)



「参ったなぁ。。そこら辺の女の子でも適当に探すっきゃねーな」

ポリポリ頭を掻きながらその辺をキョロキョロ探す。



「こんにちは」


ふいに声を掛けられ、ザックスは後ろを振り返った。

「お花いりませんか?綺麗でしょ?1本1ギル」

くったくのない笑顔でザックスに話し掛ける少女がひとり。


この汚れたミッドガルで花なんて珍しい。


しかしそんなことより、ザックスはこの少女の美しい翡翠の瞳をじっと見つめた。


なんて綺麗な子なんだろう。花も花だが・・・この女は一体?


「・・・?」


少女はポカンとしている。

無言のまま自分の顔をまじまじとみつめるこのソルジャーは一体?

少女は首を傾げながら 「え?」

とザックスに問う。




ザックスはハッと我に返り、

「あ、いや1本もらうよ」


そう言って10ギル硬貨をポンと渡してサッサと身をひるがえして去っていった。


「そ、ソルジャーさん!9ギル多いですよーぅ!」


少女の声を無視したまま、ザックスは顔中を真っ赤にして走っていった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

後日


ザックス 「おい、クラウド」

クラウド 「はい、何です先輩?」

クラウドは直属の上司のザックスに声を掛けられ、ビシッと右手を額にあてた


ザックス 「その・・・今度映画観に行かねえか?汗」

クラウド「・・・は、はあ・・・」


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ザックス先輩なら女の子誘えば引く手あまたなのに何故わざわざ俺を・・・(怖)
クラウドは頭が痛くなるほど考えたが何も思い付かなかった。



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