萩原朔太郎
五月の朝の新緑と薫風は私の生活を貴族にする
人は新しく生きるために、たえず告別せねばならない。全ての古き親しき知己から、環境から、思想から、習慣から
都会の生活は非人情であり、そしてそれ故に、遙かに奥床しい高貴の道徳に適っている
社交の秘訣は、真実を語らないということではない。真実を語ることによってさえも相手を怒らせないよにすることの技術である
男と女とがお互いに相手を箒とし、味噌漉しとし、乳母車とし、貯金箱とし、ミシン機械とし、日用の勝手道具と考える時、もはや必要から別れがたく、夫婦の実の愛情が生ずるのである
羞恥心は塩のようなものである。それは微妙な問題に味を付け、情緒をひとしお深くする
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