小さな世界 > 第6章「休息」
ひととき。
静朝「俺『大吉』だったー」
華夜「あ、私も『大吉』だ」
何故かいつの間に、G層で言うところの『ボストンのビーコン・ヒル』を歩いている3人。
ボストンにある、有名な通りである。
19世紀の雰囲気が残る、石畳の穏やかな通りだ。
?
花宇「(えっとさっきまで、、中国の大きな宮殿にいたんだよね?)」
考え込んだり、前を見て歩く花宇。
先程、中国の宮殿内でおみくじもどきをやり、自分の運勢を見合う
静朝と華夜。
凶
↓
吉
↓
末吉
↓
小吉
↓
中吉
↓
大吉
↓
龍吉
カサッ
『達吉』
え?
花宇は声を上げた。
『龍吉』
達筆な文字で「龍吉」と書いてある。
ぽっか~んとする花宇。
静朝がぐるっと振り返って言う。
「出たんすか?まさかっ」
華夜「あ・・・」
A層なので人間がいなく、広々と道路の真ん中で立ち止まって
紙をしげしげ見合う3人だ。
花宇「初め、『達吉』って見間違えてしまって・・・」
紙には、とても美しい絵が描いてあり、
和歌も略だった。
・・・
静朝が言う。
「・・・物事が『達成』されるんですよ
『龍吉』に『達吉』
・・・龍の吉運に、達成の力が加わり、混ざる」
ゴウンッ.....
ヴイィィーン
ゴトッ
再度、飛空挺の中。
花宇さん。
華夜が花宇の元に来た。
「たまになのですが、突然別の区域に迷い込んで、、ワープすることがあるのです。
原因は不明なのですが」
先程の、中国内の宮殿 → ボストンの通り、のワープ現象のことを言っているらしい。
遠慮深く華夜が言う。
「・・・きっと、花宇さんの『G層の、ボストンでの記憶』がとても心に残っていて、
それがきっと」
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遼一、美智夫妻の敷地内の、メイン島邸の、天守閣の場所に着いた。
・・・
あー、おーっす。
何。3人で来たの?
あっそう。
はい、上がって。
遼一はずっと入り口の扉の前で腕を組んで待っていたのだ。
遼一「あー、えっとね。全部混ざってる部屋を掃除しておいたんだけど。
まぁいいかな。
大丈夫?」
前を歩いていた遼一がくるっと振り向いて言った。
『全部混ざっている部屋』というのは誰も見たことはない。
『和風の部屋』
『中華風の部屋』
『洋風の部屋』
G層の世界のあらゆる「住空間」を、主は気まぐれで千条院夫妻にプレゼントした。
遼一は断ったが、
リストの中の『スペースシャトル内の部屋』を見て、
あっさりもらった。
・・・という訳で、
G層の中にある住空間の部屋を色々と持っている千条院夫妻。
『全部混ざっている部屋』はあまりにカオスな部屋で、
どんなに真面目に話が出来る人も話に集中出来ないだろうと思われる場所であった。
その、『全部混ざっている部屋』に通された3人。
「失礼致します」
美智が上品に茶菓子、マシュマロを持ってきた。
遼一「みっちゃん、俺カレーうどんも」
美智は「かしこまりました」と言って奥に去って行った。
はい
静朝「各層の、秩序管理人を。華夜も同じです」
ふたりはB~G層の秩序を守るための存在である。
(A層の秩序調査は不可侵のため、除外)
1層でも秩序が乱れれば他の関係ない層にまで影響が出てしまうかもしれない
ということで、静朝・華夜夫妻はその役を仰せつかっている。
清子も沙耶子も、花宇も、何だかここにいるのが場違いなのでは・・・
と感じるほど彼らがとても神々しく清らかな存在のように見えた。
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第6章「休息」:目次


