小さな世界 > 第7章「交錯」
突飛
暘谷邸、パンダルーム。
「暘谷さんはどういう人が好みなのですか?」
妃羽が聞いた。
暘谷はあっさりしていた。
「んー・・・あんまり」
「俺って異常なのかな。女に興味無いんだよ・・・」
・美しさは分かる。妖艶さも分かる
・でもゲイではない
ただ
「君にプロポーズしたのは、意外だったな・・・」
あからさまに、煙草が吸いたくてイライラしている暘谷に、
「た、煙草、吸って来ていいですよ」
と言う妃羽。
立ち上がり、
「ん、すぐ」
と言って窓のところに行く暘谷。
「すぐに戻る」、を言いたかったらしい。
何となく
こう
ずっと押し殺していたような
そういう感じを受けたような・・・
思い出す妃羽。
「(でも、私は威俐様だけだし。
100%無いけど、もしも暘谷さんが私を想っていたとしても
うへっ、、な、何も出来ない・・・
する必要もないけど)」
戻ったよ。
スタスタ歩いてくる暘谷。
妃羽は混乱した。
「(も、もし、もしもし、暘谷さんが「そう」だったら
私は大変無神経なことを相談しているのではっ・・・)」
そのまま、奥の冷蔵庫に向かい、何かを取り出そうとしている暘谷。
・・・
妃羽「あのっ!」
「シザーサラダ、おつまみ色々、ビール、レモン水」
戻って来て、トンットンットンッ、と並べていく暘谷。
時間があまり経ってないように見えて、もうすぐ夕食時なのだ。
夕食を『兄』でとるのはやめて、ここで軽く済ませようと彼は考えていた。
(これらは前菜)
レモン水を握りしめ、妃羽は聞いた。
「のー、ののの。の。あ、あのー、私のこと、好きですか?」
ハッキリ言え、スピリットが移ったようだ。
疲れたように暘谷は言う。
「好きだけど?」
ティラリィラリィ~ン.....
妃羽は脇ではなく、腰に汗をかいた。
姿勢が良すぎたのだろう。
そ、そういう意味ではなくて。
LOVE、の方です。と妃羽が言う。
暘谷「好きだって言ってんじゃん・・・」
やはり疲れた声で言った。
(早送り)
・無神経なことを言ってしまっていたのでは→困ってんだからしょうがねーだろ
・嫉妬とかそういう気持ちは・・・→うるせーな
・私と一緒の時は嬉しかったですか→は?何言ってんの?
・一緒の時、夫婦らしいこと、したくなかったんですか→片想いだから
今日は魚料理にするかなー、と考える暘谷。
「(カルシウム摂らないと)」
テレビを観ながら言う暘谷。
「女に興味は無かったけど、君は特別だったんだよ」
何故こうも、ハッキリキッパリ、恥ずかしげもなく普通に言えるのか・・・
ハッと気付く妃羽。
「そ、それなら『ぶ、物質主義的な私』って嫌われますか?男子に!」
暘谷が「一応正常?」だと知ってガッツいて聞く妃羽。
(間)
暘谷「俺は厭じゃないよ。厭ならぶっ叩けばいいだけだから」
暗くなってきたので、カーテンを閉め、リモコンで各部屋を点灯してゆく暘谷。
しゃがみ込み、「(暘谷さんとだったら楽しいし不安もないし相性抜群だったのに)」
と思う妃羽。
もしも 『主の分身人形としての私』に引き寄せられているのならば、
他の人間たちも同じ状態になるはず・・・
しかし特にそんなことはない。
だとしたら暘谷さんは『力』とか関係なく
私のことを・・・
青くなっていく妃羽。
![]()
![]()
![]()
![]()
![]()
![]()
![]()
![]()
![]()
![]()
![]()
![]()
![]()
![]()
![]()
暘谷「じゃ、な」
妃羽は何度もお礼を言い、新しい曲が出来たらお報せします、と言った。
「何でも、気合いで行けよ」
激励?の言葉を言う暘谷。
な、何でも気合いで行ったら疲れちゃいますよ、とニコニコして反抗?する妃羽。
・・・
ドアに向かう途中で振り返る妃羽。
「暘谷さん」
「その、、あの。あーえっと。あの、、あ・・・あのぅ
あああ あの へ、変な意味じゃなくて!一緒に、寝て、、下さい・・・」
妃羽はすぐに言った。
「変な意味じゃなくてっ。同じ場所にどうってだけで
同じところってだけで。
どうしても何か私・・・あ、甘えてみたく、、」
<略!>
暘谷「そりゃ願ったりだけど。威俐様には言うよ?」
「当たり前です!」
こんな時に限って、トライアングルの音が鳴らないのであった。


