HOME 小さな世界 | 現代ファンタジー小説 ものもの



小さな世界 | 現代ファンタジー小説

小さな世界 > 第7章「交錯」

残った

その日、ある『鬼』がひとりの女性の首をしめていた。

海辺。
夕方頃か。


「もうダメ・・・」
女性がそう思った時。


或る男が刀で、その鬼を後ろから突き刺していた。

「(う・・・い・・・さ、、ういいあ・・・)」
ばたっと座り、身を縮こまらせて「フー」と息をする女性。


ハッと横を見ると、
『鬼』が血だらけになって・・・倒れていた。

ダッ

と逃げ、後ろを振り向きつつ家に向かって走った。

しかし、髪を振り乱して家に着いた途端、「大丈夫かなあの人」と
何故か鬼の心配をする女性。


小さな世界 | 現代ファンタジー小説小さな世界 | 現代ファンタジー小説小さな世界 | 現代ファンタジー小説小さな世界 | 現代ファンタジー小説小さな世界 | 現代ファンタジー小説小さな世界 | 現代ファンタジー小説小さな世界 | 現代ファンタジー小説小さな世界 | 現代ファンタジー小説小さな世界 | 現代ファンタジー小説小さな世界 | 現代ファンタジー小説小さな世界 | 現代ファンタジー小説小さな世界 | 現代ファンタジー小説小さな世界 | 現代ファンタジー小説小さな世界 | 現代ファンタジー小説小さな世界 | 現代ファンタジー小説


女性「あなたはきっと、、特別な存在なんだと思う。
何となく・・・」

フルルル..... しか言わないその存在。
言語という概念が分からないようだ。

言葉にするのもおぞましいくらい恐ろしい顔をしていて、
体が透けている。


ざざーん.....


その鬼は幾度もその女性を狙った。

首をぎゅーっとしめた。
命を奪う気は無いらしく、目的は不明だった。


そのたび、すっかりくだけた顔になってしまった幽体の男に後ろから刀で斬られる・・・
それを繰り返していた。




ある夜、幽体の男が言った。

『俺はもうこの世にいない・・・
俺と勝負するのは、出来ないんだ』

夜の海での会話である。

『俺の、最愛の女性を、どうこうするのは止めて頂こうか・・・』

その男の目が光る。


「ま、待って!」

件の女性が、止めに入った。

「む、むしろ、あなたの方が危ない。
あなたの身の方が。
この、鬼・・・は恐ろしいわ。
違う世界に行かせた方が・・・」

ごほっごほっ!

必死にしゃべりすぎて、女性は咳き込んだ。


幽体のはずのその男は女性に回りこんで言った。
『あいつは斬った方がいい。危険だ』

寝ている時に首をしめられ、
家族に助けを呼ぶ理性も無く浜辺に必死に転がり込んだ女性の、
その状況に対し激しい憤りを感じているようだ。


女性は必死に説得した。

まだ「考える」とか「こうだからこうなる」とか
「善悪」、「喜怒哀楽」・・・
全然分からない状態のようだ、と。。

あるのは、激しい闘争心で、その奥には強い心が眠っている。と


『そう?』
幽体の男性は、女性のかつての夫で、彼女が言うと「そうなんだー」とすぐに信じ込む男であった。


小さな世界 | 現代ファンタジー小説小さな世界 | 現代ファンタジー小説小さな世界 | 現代ファンタジー小説小さな世界 | 現代ファンタジー小説小さな世界 | 現代ファンタジー小説小さな世界 | 現代ファンタジー小説小さな世界 | 現代ファンタジー小説小さな世界 | 現代ファンタジー小説小さな世界 | 現代ファンタジー小説小さな世界 | 現代ファンタジー小説小さな世界 | 現代ファンタジー小説小さな世界 | 現代ファンタジー小説小さな世界 | 現代ファンタジー小説小さな世界 | 現代ファンタジー小説小さな世界 | 現代ファンタジー小説


分かったことは、鬼っぽいけど鬼ではないことと、
未存在?のような存在であること。

とても強い人間を倒したかったが、
その人間がすでに死んでいて、
そのことが分からずに「その人間が最も大切にしている存在」を
苦しめることで、その人間を誘い込もうとしていたこと。


女性は言った。
「あなたは強くなりたいのね。
強くなって。応援してる。
きっと、違う世界があって、神の世界とか。そこへ行ければね・・・」

未存在なのはそういう世界の住人だから?と思う女性。


そして綺麗な宝石箱を持って来た。

「もうすぐ島を離れるわ。だからこれを渡したくて」

中には、彼女が夫からもらったたくさんの宝石が入っていた。

珊瑚を1つ取り出し、その存在に渡した。


珊瑚の宝石言葉は『深い愛』

愛は正しくない時もある。
でも、とにかく強くなりたいのなら、『愛』一本で行けば、
あなたの願い事は叶う。
信じて欲しい・・・


愛さえあれば、強くなれる。
正しいかは自分で決めて。


「ほわっちゅ でーむ」

その世界の言語(共通語)を話す『その存在』。


My name is Kin Minasawa, no, Kin Tatsushiro.....

名前を聞かれたのを理解して答える女性。
(What's your name?、と言っていた)


現在の名前と、婚姻時の名前をふたつ言う女性。

現在は旧姓で、「皆沢 均(みなさわ きん)」
婚姻時は「龍城 均(たつしろ きん)」



いつの間にか、いなくなっている『その存在』。


作りものですらない、ない思い出。

当然、均は覚えていないし、
それにまつわるものごと全て、「なかったこと」になっていた。


空気も含めて全部が『その存在』を忘れたけど、
気付きもしなかったけど

・・・

あの珊瑚だけは『有るもの』として永遠に残る・・・



小さな世界 | 現代ファンタジー小説  

 BACK「圧倒的な」  NEXT「愛」


第7章「交錯」:目次

 血赤珊瑚
Copyright(C) FUWAFUWA