短編集Tanpenshu
時空を超えてBeyond time and space
- 第2話:願い
だから!
「長生きしたいでしょ!もっと生きたくないんですか?」
コウは言った。
朧浪(ろんらん)は腕を組んでツン!と横を向いた。
「ほっぺにチューしてくんないとやだ」
・・・
朧浪は25歳、コウは20歳。
5歳も下の人間に「大人げないと思わないんですか?!」
思わず大きな声が出る彼女。
シカトする朧浪。
「(・・・こうして見ると姿かたちは溟渤(みんお)様そっくりなのに、、)」
どうしていいか分からないコウ。
「サンジェルマン伯爵とか八百比丘尼(いずれも不老不死で未だに生きているとされている伝説上の人物)に会えるかもですよ?」
明るく言うコウ。
ぐるんっ!
と振り向く朧浪。
途端に、燃え尽きたあしたのジョーみたいな顔になる朧浪。
「(??え?)」
キョドるコウ。
空は曇り、湿気を含んだどんよりしたものになっている。
もっと、堪能しておくん、、だった
「おっぱいとか・・・」ぼそっ
「えーっ!?
私、そんな破廉恥なことしましたか おっぱい?」
何の話をしてるんだ的なふたり。
朧浪は木の寄り掛かるような場所でそっと寄り掛かり、深いため息をついた。
「生きるということは、楽しみを知ることだ」
コウ「あ、はい。そうですよね。(まともなことも言えるんだ・・・)」
何か飲み物を飲んでいるふたり。
コウが蜜柑と海水で作った飲み物を飲みながら、
「あーあ、もう帰ってもらおうかな」
と簡単な顔で言う朧浪。
ザザ・・・ ザザ・・・
どうしていいか分からない。
分かりました。
何かの約束を取り付けるふたり。
BACK「ほっぺ」 NEXT「縛」