読み切りOne-shot novel
メインメニュー >> 読み切り >> 読み切り:ラブコメディ
ラブコメディLove comedy
- こういう恋
ずっと入りたかった高校。
入れないよ、って茶化されただけで両手で顔を押さえていた。
大丈夫だよって言う塾の先生も、担任の先生も
私をショックから守るために言っている、と思って、
先生方に失礼なこといっぱい言ってしまった。
たくさん勉強したけど、全然駄目だという現実しか見えてこない。
それでも死ぬほど勉強した。
徹夜だって何度したことか。
「判定:C」
担任の先生は「Cじゃないでしょ、Aって書いてあるじゃん」と嘘をついた。
塾の先生も同じことを言う。
Cだってハッキリ言ってくれたら諦めがつくのに。
一ランク落としてみたら?って言ってくれたら諦めがつくのに。
-------------------------------------------------
気付くと、三智子(みちこ)は病院のベッドにいた。
優しそうな看護師さんが「あら、起きたのね。大丈夫?」と微笑んで
彼女に近寄る。
しばらくして、連絡が行ったのか担任の先生がやってきた。
・・・
試験を受けた記憶はうっすらある。
でもとてもぼんやりして、まるで夢の中の出来事のようだった。
担任「でも君は確かに試験を受けた」
無表情で言う。
そしてカサッと通知の紙を取り出した。
「合格」
驚く暇も、喜ぶ暇もなく、次の紙を取り出す担任。
「判定:A」
呆然とする三智子。
「君は、ずっとノイローゼだった。
・・・試験に受かったのは凄かったけど」
『しかも君は、主席で受かったんだよ』
担任の教諭が帰った後に、彼が言った言葉を反芻する三智子。
-------------------------------------------------
4月。
何処に行っても、何となく温かく迎え入れられている気がする。
クラスメート、先輩、先生、色んな校舎。
三智子の実力でこの高校に入った・・・とはとても思えない彼女。
「判定:C」、は目の錯覚やノイローゼのせいではなく、本当だと思った。
でも、この高校が元々自分を欲していたのだと分かった。
桜が舞う。
校舎、、高校に語りかける。心の中で。
「(大学はどこですか。どこに行けばいいのですか)」
ここ、と繋がっているところは?と三智子は問うたのだ。
『大学?』
ちょっと怒ったような高校の声。
・・・
三智子「(また、戻ってきます。教員資格を取って、
必ず・・・この高校へ)」
ずっと一緒に。
-------------------------------------------------
良く分からない、本当に良く分からない・・・
高等学校と女子学生の恋物語。
本当に良く分からない