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かげろう



変な方向に誘導する形になってしまったエメライン。


もうどうしていいか分からない

立ち眩みそうになる。


先程 大声を出し、息を絶え絶えにしていたレオナルド。


だが、、

窓の方に向かい、外の景色をしばらく見ていて。



「どんな女も老いれば衰えてくる。

・・・私は女性というものを、装飾品のようにしか 見れぬのだ」


穏やかな、そして淋しそうな声で言った。



・・・・・・


エメラインは、何も言えない。


「(この人は、、自分の母親絡みのことで、何かあったのかしら・・・)」

ぼんやりと思う。


ただ、

妹は別だ。

レオナルドは言う。


「腹違いの、、今はウィザード系(魔法使い職)になっている妹が ひとりいる」

あの子には幸せになってもらいたい


女性全てが厭、という訳ではないらしい。


「(妹・・・)」


エメラインは、先程とは違うレオナルドの優しい顔を見て、

こういう顔もするのね、、と思った。



「エメライン」


レオナルドは言った。


「は、はい」




「結婚、してくれないか」


エメライン「(なっ!)」

エメラインは総毛だった。

「(この人頭おかしいんだわ)」
コミカルに憐れむ。

すでに結婚しているのに。
それを承知で言っているのだろう、レオナルドは。


落ち着いた声でエメラインは言った。


「私はもう結婚しています。
子供もおります。
・・・夫以外と。
・・・そうですね。例えど、独身でも、
貴方様とは・・・
じょ、ジョセフを私は・・・」


窓は特殊加工がされているのに、
美しく光が射していて、心地良い。

窓から入ってくる暖かさを味わいつつ、レオナルドは言った。
「・・・分かってはいたよ」



呆然とするエメライン。


エメライン「正気ですか!もうジョセフと会えないなんて」

皇太子の権限により、これより「ジョセフとの婚姻」の籍を永久にはく奪。
許可を取り、監視下の元でのみ、ジョセフと会うことを許す。
そういう取り決めが勝手に決められた。

この短いやりとりで、である。



「王家と言えど、こんなの許されるものでは・・・」
エメラインの顔は本当に青くなっている。



「生意気言うんじゃない」
ピシャリと言い放つレオナルド。



部屋から去って行った後、
誰にも見られずに、レオナルドは泣いた。

弱い、届かなくなる君を、手放すことがどうしても出来ない・・・
本当に弱い私を、許してくれ・・・
最低だ・・・
うぐっ

嗚咽が、、悲しみのための排泄が出来なかった。



「(こんなの悪夢よ!自殺しなきゃ・・・)」
両手で頭を抱え、パニックになるエメライン。


ジョセフと別れる、、、ジョセフ・・・
あなたは・・・
悲しい?
悲しんでくれる?

何も考えたくない。

そのまま、ベッドに横になるエメライン。



静かに落ちていくかげろうのような感覚を味わい、、


やがてそれを愉しもうとした。



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