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朝もや



朝もやの中。


宿のベランダで早朝の涼しい風を受け、ぼ~っとしながら涼む美織。


「(結婚休暇があって良かったわ)」


本来なら花篠娘々としての任務に追われて、

ショックを受ける余裕もないはずの美織だったのだが、

結婚した場合、下界でいう1週間の期間の休暇がもらえるため、

こうしてだらりっと出来る。


「(でも、、今日の分の勤めやりなさい!って叱咤する喬一さんは
もう、、二度と見ることが出来ないんだ・・・)」


はぁっ



ここは四季がないから助かるな

う~ん と伸びをしながら、後ろから玄宗が現れる。


メイリャンは下界でいう春と夏の中間くらいの気候で、

それがずっと続いている。


美織「ねぇ玄宗」

思わず言ってはいけない名前を言ってしまう。


「何」

答える玄宗。


美織「あ、御免。言っちゃいけないんだよね 名前」


玄宗「構わないよ。いつでもじゃない限りは」


玄宗、って名前にこだわったの、
あと私だけが呼ぶ、って言ってたの、

麻薬の、、麻薬としての私が表に出たってことだったのね


だからあんな意味不明なことを。


『私を刻め』


かつての自分の心の中の意識。

今なら、この意味も分かる。


玄宗「そうだね。だから困った」

苦笑する玄宗。


しばらく外をぼんやりと肘を付いて見ていた美織。


美織「いいの?」



玄宗が美織を見る。


背中しか見えない。


美織「いいの?

玄宗、って呼んでも」



玄宗はしばらく黙っていたが、


そっとスタスタ ベランダを歩いて行き。

美織の横のベランダの手すりに寄り掛かった。


うん

そう言った。


・・・

破滅するんじゃないの?

声はだいぶたるそうだ。


あの、人が 中心部から四方八方に粉々に吹き飛ぶ映像が思い浮かぶ


「どうなるかな」


美織「離れた方がいいわよ」

あなたのこれからが心配・・・



・・・


「そういえば」

美織「ジャワイ任務での、あの喬一さんの声というか、姿というか

そういう映像?、、じゃないけど、そういうのがあったのは・・・感じたのは

何だったのかな」


玄宗「繋がっていたのだろう。

依存者と薬、君たちはそういう関係だったから」

だから引き合ってしまったのではないだろうか


美織「今まで、普通に離れていたこととかあったけど、

何であの時だけ」


・・・

時が満ちた、と形容すれば分かりやすいかな

と玄宗。


美織「(時が満ちた、、)」


玄宗「長く摂っていれば、依存度は高くなる。
無くなった時の苦しみは 初期とは比べ物にならない」


美織「(だから喬一さんの呼び声が。。そういうことか)」

ふぅぅ、、

だらりっとベランダの手すりに倒れ掛かる美織。


「あれ以降は何もないから、大丈夫なのね」


玄宗「(いや・・・)」



彼はもう・・・



二度と、君へ、声や姿、そういうものを送ったり

或いは呼んだり、



玄宗「(出来ないだろう 二度と)」


そういう運命なんだ。


時が満ちれば、もう二度と薬は手に入らない。

必ずそういう時期は来る。


だから、もう君を 手にいれられない


辛いか美織。

辛いだろうな

君の辛さは伝わってくるよ とてもくる

オーラが

でも

「(乗り越えるんだ)」



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