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木の上の家



連れて行かれたのはウータン族の村、ウンバラ。

一面の森の中、木々が複雑に絡まり、その木の上に家たちが立っている。

そういうところである。

住民はウータン族。

クエストという
「指示された任務をクリアすることで報酬や特定のダンジョンに行ける権利を得られるという課題」
を経て、ウータン族と言語が通じることが出来る。


白ポリン「世俗を離れたいって思ったんでしょうね~」

ミルドレッド「・・・フェイヨン(山岳の都市)も緑豊かだったけど、こちらも空気がおいし~ですね~」


ミルドレッド。シリーズ名「マックとミリー」の「ミリー」の正式名称である。

彼女は普通はモンスターを倒してレベル上げを楽しむはずのこのゲーム空間で、
ここの世界のブログ(臨書、という)を楽しんだり、風景のスクリーンショットを撮って楽しむ。

そんな楽しみ方をする魔術師である。


今日彼女は臨書のネタとしてうろちょろしていたところで偶然見つけた白いポリンを見つけ、しつこく追い掛けていたのだが、

(ポリン=最弱モンスター)


そのうち あちこちで
「あの子頭おかしいのかしら?」
「精神障碍者もRO(ラグナロクオン))でプレイするんだな」
「わざとじゃないの?」

と意味不明なささやきをされるようになり、


やばい!と思った白ポリンが、


「こ、こっち来て!」

と口でミルドレッドを引っ張り(手がないから)


「ここはあんまり来たことないけど良い所ですね~」ニコニコ


ウンバラに連れて来たのである。


白ポリンは言った。

「少しびっくりするかもしれないけど、まぁ大丈夫だから」


少しびっくり?

何だろう、、と思うミルドレッド。


「(角付きポリンが出てくるとか、、花びらだらけポリンが出てくるとか・・・)」


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うわお!

女の子~な部屋でもこもこしていたのは、


トゲトゲのポリン、花まみれのポリン、プリンのようなポリン、角を生やしたポリン・・・


ほ、本当に想像してたポリンたちばっかりだ・・・

ぽかーんとするミルドレッド。


しばし呆然とした後に言った。

「『お、遅れる』、って私が追い掛けていた時に言っていたのは、ここでのお茶会?

いや集会?みたいなもの?のことですか?」


そうです。と答える白ポリン。


え、えーと


「こ、こんなポリン種族っていたかな・・・」

どう考えても見たことも聞いたこともない「亜ポリン」たちである。


「おいこいつ誰だよー!」「変なの連れてくるなよー!」
「何か言われたのか?」「何だよこいつー!」

ポリンたちが騒いでいる。


ハッ

「私、住居侵入罪で逮捕されませんか。ここは、、誰かのお家ですよね?」

慌てて言うミルドレッド。


ん?一斉に騒ぎ声が止む。


白ポリンが言った。

「そうだよ。みんな。こういう人なんだ」


・・・

・・・


とんだご無礼を。失礼致しました。

一斉に・・・


まるで世界で一番偉いお姫様に向かってするかのように、

ポリンたちがふかぶかと頭を下げた。


・・・え、え?

「(こういう人・・・)」

こういう人って何だろう・・・


アルベルタ(港の都市)で白ポリンを追い掛けていたときも「あの子おかしい」って言われていたけど、、

私って頭おかしいのかしら・・・


貴方は

白ポリンが言った。

「僕がここのキャプテン(キャプテン!)な訳じゃないけど代表して言うけど、、

貴方は心がキレイな人なんだよ」


僕たちのような精神体が見えるのは、澄み切った心の、、邪なものが一切ないそういう人だけなんだ。


「だからアルベルタで見つけられた時は焦った。そんなこと一度もなかったから・・・」


周りの人間は、姿のない何かを「可愛い~」「待って~」と追い掛けるミルドレッドを

「頭おかしい」「精神障碍者」と言っていたのだ。


心がキレイ・・・

「わ、悪い気しませんが、心が汚くならないと見えない物事だってあります。

心がキレイだと仮定するとするなら、「考えることを放棄した」「物事から逃げてばかりいた」

そういうこと、、なんでしょうね、、」

ミルドレッドじゃないだろう・・・というようなことを言うミルドレッド。


「そうだね」

あっさり言う白ポリン。


「物事から逃げてばかり、は違う。考えることを放棄もあんまり適用されていない。

単純に心がキレイなんだよ。・・・でもそれだけ恵まれていた、、環境的に。とも言えるね」


角ポリンが口を挟んだ「貴方様は大変お心が美しゅう御座います。

それはバラ園の中の芳香たちのように。貴方様の美しさには誰も敵いますまい。

・・・ただ、、貴方様はお強くない」


プリンポリンが思わず言う「おい!失礼じゃないか!何て事を!」


花びらポリンが「じゃあ私も言ってもいいか、、」的な感じで口を開く

「私たちのキャプテンがいるのです。

貴方様はおそらくキャプテンをご覧になることは出来ない」


白ポリンが言った。

僕たちを生み出した主人は「リアラ」という女の子なんです。


あの子を救おうと、、ずっと僕たちはさまよっていました。

キャプテンを見ることは愚か、、誰も僕たちを見ることの出来る人間はいない。


いつしか、本当の目的すら忘れて、、リアラの家に集まったりまた離れたり、、を繰り返すようになったのです。


キャプテンを見ることの出来る「強い人」と

僕たちのようないわゆる精神体を見ることの出来る「心の美しい人」が

両方いないとリアラは、、


待って!!

隅にいたトゲトゲポリンが声を荒げた「ふたり侵入しているわ」

うええぇぇ??

ポリンたちは声を上げる。


ふ、ふたりも?


「勘違いじゃないのか?」


トゲトゲポリン「・・・・・・男と女。ふたりだ」


な、何の話?

頭がぐるぐるする。

あわあわするミルドレッド。


本当に強い人間

「キャプテン」を「見」ることの出来る人間・・・


「リアラが亡くなった場所でリアラへの入り口で待つキャプテンを捉えることの出来る人間だ」

でも普通はひとりのはず・・・


「な、何でふたりも?」

ポリンたちはざわざわする。


ミルドレッドは、、

ずっと聞き損ねていた。


壁いっぱいに貼ってある、様々なポリンの絵を。

「(名前はこうだとか紹介してもらいたかったのに

そんな空気じゃないよね)」


どこまでもどこまでものんびりしているミルドレッドだった。


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