Ragnarok Online derivative works
目次 >> RO物語本編 >> 南極の花南極の花Antarctic flowers
- 第1話:謁見
ここはプロンテラ(ルーンミッドガッツ王国の首都)の王宮内。
レンレンがエリザと謁見中である。
(※ふたりは娘と母)
レンレン「だからぁ、パパは女なら誰でもいいンだってば」
エリザ「はぁっ... 辛いー」
レンレン「事実はちゃんと受け止めないとー」
エリザ「でもだからってどうにもならないわ。
人の心はどうしようもないでしょ」
レンレン「だからこそ。
だからこそ、レオナルド様に向き合ってー、」
エリザ「やだ!」
レンレン「んもう! 子供みたい! はぁっ...」
エリザ「...あのさぁ」
どうしようもない会話のように思えるが、エリザはずっと真剣に話している。
(とてもそうは見えないが)
疲れたように椅子から後ろにぐいーん、とのけぞるレンレン。
エリザ「あの、...もし他の人が、ウィリアム(エリザの元夫)好きって言ったら、
結婚とか普通にしてたのかなぁ」
レンレン「してたでしょ」
エリザ「がーん!」
レンレンはハッキリ言う。
冷たいとも言われやすいだろうが、こういうのが「しっかりしている」ということなのだろう。
レンレンは気を使って遠回しな言葉など言わない。
エリザ「でも、、前に、、「そんなことない」みたいな感じだったもん」
バラ園での想い出、、あの神秘的な空間(……?)を思い出し、否定しようとするエリザ。
(※過去「茶色い犬」参照)
レンレン「そりゃ「うん、そうだよ」なんて言えないしぃ」
エリザ「……」
こんな会話ばかりしていたら、
確実にお腹の子に響くのに、
エリザは自分を追い詰める方向にばかり挑戦する。
レンレンは決して自分を癒してくれる言葉などくれないのに。
エリザ「レオナルドは優しい人よ。深い愛をくれるし」
変態だけど
(と心でぼそり)
エリザ「でも、私はー、」
レンレン「へー、変態なんだ」
ぎくりっ とするエリザ。
レンレン「どう変態なのよ。 詳しーく教えて」
エリザはレンレンの、たまに人の心を読める能力を忘れていた。
(強い思いでないと読めない&体調で読める時と読めない時がある)
エリザ「変な意味じゃないわよ。 マサルさん的な意味で」
レンレン「なぁーんだ。つまんないのー」
エリザ「(どう変態でいて欲しかったのよ、、)」
レンレン「あんな美男なのにさ。意味分かんないー」
エリザ「顔で判断するアイリーン(エリザの双子の姉)とかと一緒にしないでよ!
っていうか。
別にウィリアムだって悪くないでしょ」
レンレン「恋は盲目ってこういうのを言うのね。
絶対なりたくない」
エリザ「あなたの、、えっと アルフォンス君?はどうなのよ
盲目じゃないの?」
ぎょっとするレンレン。
レンレン「アレはペットよ。
ううん、奴隷...子分てとこね」
その反応に、「ふぅーん…」とニヤリとするエリザ。
エリザ「生意気なその性格直さないと捨てられちゃうわよ」
レンレンは虚勢を張ってそのまま生意気に笑いながら
レンレン「やーね。私がいないと何も出来ない~傍に居て~ なんて言ってたんだから」
とホラを吹く。
ホラ吹いてるのを見て 必死に笑いをこらえつつ、
エリザ「まぁいいわ。 私ね、、女なら誰でも良くても…
いつか私じゃないと駄目、って思われるように、、祈ってる…」
サッと切り替えた。
おおっ 切り替えた!
アルフォンスのことを言われ、ぎょっとしていたのでホッとして……
レンレンはそれに答えた。
レンレン「パパもさぁ そんな風に思われて 男冥利に尽きるわねー
どこがいいんだろうね あんなのの」
ムッ!としてエリザが言う。
エリザ「だからぁ、あの無害そうなところがいいンじゃないの!」
ふたりの口調は似ている。
やはり親子だということだろう。
レンレン「…いるのかなぁ。 「無害」って言われて喜ぶ男って」
エリザ「いるわよ。あなたのパパよ」
レンレン「喜んでないわよ。 呆れてるわよ絶対」
エリザ「じゃあ どういう風に言われたら喜ぶの?」
ハッとして聞く。
身を乗り出すエリザ。
レンレン「もう別れた(?)のに未練がましいわねー」
エリザ「いいから! 教えて! お願い」
なおも 身を乗り出す。
レンレンは急に立ち上がった。
「あたしね!
いっぱいの霊力を使って、ママがレオナルド様を好きになれるように祈る!」
毎晩!
急に立ち上がったレンレンにびっくりするエリザ。
レンレン「じゃ、ね。
生産性のない話は嫌い、よ」
パッとソファーから離れ、
とっとことっとこ エリザから去ってゆくレンレン。
突然のことにびっくりする。
エリザ「(え、えー?突然??)ひどいよう…」
いつもならしがみつくところだが、
エリザはその後ろ姿をいつまでも 見守るしか、なかった…。