Ragnarok Online derivative works
目次 >> RO物語本編 >> 南極の花南極の花Antarctic flowers
- 第3話:本当に変わらず
ウィリアム「前に、、証拠見せて、って言ったよね」
来た来た来た!
プロポーズぅぅ!
エリザは踊りだしそうな気持ちを必死でこらえた。
エリザ「(あ、でも今日は記念日じゃない)」
でもいいや。
エリザ「あ、き、記念日、、考えてたんだけど」
ウィリアム「記念日? …記念日か」
エリザ「でもいいや!今結婚する!」
へ?とした顔をするウィリアム。
エリザ「けけけけ結婚しようかっっ っていうか結婚してくださいいぃ」
ちびりそうになるのをこらえ、勇気を出して言うエリザ。
ウィリアムは険しい顔をしてエリザの方へ歩いていき、両肩を揺さぶった。
ウィリアム「そういうことじゃ…ないんだけど」
怖い声。
へ?どういう意味?
意味の分からないエリザ。
エリザ「え どうして? ウィリアムは、、私と結婚、、したくないの?」
その様子を見て、何とも言えない顔をして、
そして下を向いてため息を吐くウィリアム。
??
エリザはどうしていいか分からず、うろたえた。
「もういいよ」
ウィリアムはそっと教会のドアを開けて外に出て行った。
「えっ」
急いで後を追うエリザ。
辺り一面、いつの間にか雪の世界になっている。
エリザ「(い、いつの間に? さ、寒い!!)」
しかしそれどころじゃない。
遠ざかっていくウィリアムを全力で追う。
ウィリアムの後ろにすぐ着いて、
エリザ「あのっ、あたし、、」
ウィリアムは振り向かない。
エリザ「あたし、、あの、、ウィリアムと結婚したいの!」
ウィリアム「(そんなこと知ってるよ)」
エリザ「だって、、ずっと好きだったンだもの!」
ウィリアム「(知ってる知ってる)」
エリザ「どうして? 何がいけなかったの?
どうして怒ってるの?」
ウィリアムが振り向いた。
ふたりの目が合う。
ウィリアム「(こいつ…アホだ!)」
昔は全然アホじゃなかったエリザだったが、アイリーン(エリザの双子の姉)がしっかりしだしてから、
ふにゃっとしだしたのだ。
子供の頃に無理をしすぎたのだろう。
ウィリアムはすっかり諦め、そのままエリザと結婚することにした。
花嫁姿のエリザを見て、うおっ! と惑わされたが、
すぐにさきほどのアホな姿を思い出し、「(いかんいかん…)」と頭を振った。
エリザは、はしゃいでいたくせに、急に結婚となると頬を真っ赤にして結構淑女っぽく恥らっていた。
おごそかに式が行われ、
ポリン(ラグナロクオンラインのマスコット的存在です)たちが大量に現れて、「おめでとうございますー!」とふたりを祝った。
ウィリアム「(人(じゃないけど)がいて良かった。気まずくない)」
(でもすごいと思うよ)
少し安心するウィリアム。
そのまま、さっさとジャワイ(常夏の島、新婚地)に行く。
アメニティグッズも充実していて、とても満足の行くお風呂タイムに
すっかりご機嫌のウィリアム。
ガチャッ
浴室から出てくると、イカ墨のような液体が入っているティーカップをもったエリザがいる。
ニコニコしている。
「ここさ、30種類くらい、お茶の種類があるでしょ?
(部屋に備え付け。どんだけ充実してるんだ)
ぜ~んぶ混ぜてねぇ
ウィリアムに、って思って」
はいっ、と渡す。
飲むウィリアム。
(略)
土気色した顔でベッドに横たわるウィリアム。
(・・・・・・)
結婚してすぐに夫に先立たれるなんてぇ とエリザが号泣している。
まだ生きてる。
ジャワイは海が心地良く、食事も美味しく、
楽しい日々が過ごせたが、
エリザの子供顔負けのはしゃぎっぷりに、すっかり疲れるウィリアム。
ウィリアム「(ジャワイが新婚地じゃなくて子供と来る所だとは知らなかった)」
ペコペコも連れてくれば良かった…。
心からそう思ったウィリアムであった。