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目次 >> RO物語本編 >> 南極の花南極の花Antarctic flowers
- 第7話:崑崙山にて・2
エリザはさっきからおろおろしていた。
美織「何よっ! 上官に逆らう気?」
喬一がそれに強めに返す。
ガーガー!ピーピー!ガーガー!ピーピー!
み、美織さんのっ
「(口の恐さ、、でいいのかしら、、
こ 恐い!)」
あ
あ
震えてしまう。
全く動じない喬一。
・・・
ガーガー!!ガーガー!!ガーガーガー!!
ふたりは大喧嘩している。
エリザは、その場から立ち去るのも失礼だし、、
かと言ってこうやってここにいるのも、監視とか観賞しているようで失礼だし、で
とても居づらかった。
エリザ「(どうしよう。ここからいなくなりたいーっ!)」
自分からここ(天界・崑崙山)に来たくせに、今はびゅーんっとプロンテラに帰りたいなどと思っていた。
美織「まったく。 この私に逆らうなんて、あんたくらいのものよ!」
と、喬一をぴしっと指をさして言った。
あんた、と言われ、益々腹を立てたのか、
喬一は腕を組んで プイッと顔をそむけた。
美織「ふんっ」
同じく美織も腕を組んでプイッと顔をそむける。
エリザ「(このふたりでも、、、喧嘩とかするんだ)」
目をぱちくりさせながら、、
「(この私に逆らうなんて、だなんて、この人(美織)はそんなに偉い立場なのだろうか・・・)」
と思った。
花篠娘々だというのは知っているが、それがどういうものかは知らない。
エリザ「(私は聖職者なのに全然頭悪いわ。知識がないっていうか!)」
今更気付くなよなことを思うエリザ。
ウン!と唱え、雲を呼び、それに乗って空の上に行ってしまう美織。
気まずい雰囲気の中、、
一応図々しくここに来た身なので 気を遣って喬一に話し掛ける。
エリザ「あ、あのう・・・」
すみません
何故か謝る。
喬一はくるりと振り返り、気にしないで下さい、いつものことです と返した。
エリザ「(いつも喧嘩してるの?;)」
驚くエリザ。
いつも喧嘩してる訳じゃなくて、、
たまにあの人本気で怒ると まぁまぁ と交わそうとするともっと怒るから、
全力で返してるだけです。
と言う。
そうすれば被害は最低限で済むからと。
エリザ「(落ち着いてる人だなぁ・・・;)」
その落ち着きを分けて欲しいと思った。
普段は仲良いンですよね? と聞く。
仲良いですよ、と即答する喬一。
昔はこうじゃなかったんだけどねー と言う。
あ、あの、、えっと。
美織さんて怒ると怖いですねー
まるで喬一の機嫌を取るかのように、エリザは何となく言ってみた。
怖いですよ!
喬一は言う。
エリザ「ええっ もう何か感じたことがない怖さっていうか!」
目をつぶって両こぶしを振りながら言う。
あれがいいんです。
笑って言う喬一。
エリザ「(怖いぃぃ。なんでぇ?)」
喬一のことも少し怖くなる。
あれがあの人の個性です。
のんきに言う。
エリザ「(悟ってるのね・・・)」
気の短い人なら、
あの怒りを一度でも浴びたら一生会いたくないと逃げ出しそうだ。
エリザ「(ヘビみたいに気が長い人、、仙人だけど。なのね。)」
襟首つかんで「逃げたら承知しないわよっ!」って
逃がしてくれなかったから
もー覚悟決めたっていうか
そんな話をしている。
エリザ「(喬一さんは、そういう意味でも仙人になった・・ならされたのね)」
肉体的だけでなく、精神的にも・・・
喬一「しかし指さすのはいかん!」
喬一は少しむーっとした顔して腕を組む。
エリザ「え、ええ。人を指さしては駄目ですよねっ」
先程のことを思い出す。
喬一「うむ」
あれはきつくお仕置きしないと!と言う。
喬一「そういえば」
ローザさんは大丈夫なんですか と聞く喬一。
少し無表情気味だ。
あっとした顔をして、思わず下を向くエリザ。
沈黙の後、 美織さん戻ってきて欲しいかも、 などと都合の良いことを考えていた。