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無害



エリザは途方にくれていた。

wis(1:1対話)をして連絡を取ろうにも、元々ウィリアムとのコンタクト防止のためにアイリーンによって凍結されている。
(そんなの出来るのか!)

アイリーンに連絡したいのだが、連絡手段がない。

この屋敷は窓という窓に細工がしてあって、出られない。
文字通りカゴの鳥である。



「アイリーンがどんなに心配しているか・・・」

もしかしたらアイリーンが大事を感じてウィリアムにも連絡を取ってるかも。


どうしよう。


レオナルドに、「アイリーンにだけ、ここの屋敷にいる」って伝えてくれませんか と頼むか?

いや、、心配したアイリーンが、例えどんな事情を説明しても、人を引き連れてやってくるのが分かりきってるから・・・


レオナルドはそんなことはしてくれないだろう。



くらくらっ

そのままベッドに横になった。

あー何も考えたくない。

何でこんなことになったのだろう。

考えるの面倒臭い。



カチャッ

紅茶の香りと一緒に入ってきた人がいた。


「レオナr・・・」



「辛い?そりゃそうだな、・・・こんな状況になった訳だ」


彼は近くのテーブルにティーカップをふたつ置いた。


「カフェインが苦手だったらと思って、君のはハーブティにした」


変な人。


見た感じは普通の人なのに、、
頭おかしいンだなぁきっと。



「君と、、旦那さんの馴れ初めは何なのだろうか」
レオナルドは言う。


な、馴れ馴れしい。突然・・・、と身構えた。
が、すぐに切り替えるエリザ。

・・・

エリザ「馴れ初め、、、
なんだっけ、、幼馴染で、、」

レオナルド「幼馴染」


エリザ「色んな人と狩りとか冒険をしたけど、、
なんかすごく無害そうな人と会って、、」


レオナルド「無害・・・」


エリザ「それがウィリアム。のんびりした騎士さんだった」


レオナルド「・・・(汗)」


エリザ「それで、素敵vって思って、くっついたのが、、きっかけ、、」


たらりとしながらレオナルドはつっこむ。

「つまり、 君は ・・・旦那さんが無害そうだったから好きになった、と」


エリザ「ええv」

エリザの頬はリンゴのように赤く染まっていた。


レオナルド「・・・、、、(汗)」


レオナルドの反応に??という顔をしているエリザ。


エリザ「どうか・・・? 何か変ですか?」


レオナルドは言った。

「男に、、「無害」とかそういうのって、、微妙なのではないか?」


エリザはムッ!として言う。

エリザ「人畜無害!のどこがいけないンです?それだけ丁寧な人ってことですよ!
紳士的っていうかですね」


レオナルド「そ・・・う かも、、、 いや、そう、、かな」


自分の変態さを棚に上げて、レオナルドはすっかり呆れた。


き、君は愛されてる?

少し聞いてみた。


エリザはうーんと うなって


エリザ「どうでしょう。でも結婚したから好き合ってるンじゃないでしょうか」


レオナルド「どうだろう。・・・案外、女なら誰でも良かったのじゃないのか」


!!

エリザは目を見開いた。


エリザ「え・・・ええぇぇ」

レオナルド「・・・ん?」


顔を上げるレオナルド。


エリザ「そ、そうなのかな・・・
やだ、そんな気がしてきちゃった」

突然彼女は不安そうに肩を震わせた。
思い当たることでもあるのだろうか?


レオナルド「・・・思い当たることでもあるのか?」

あまりに反応が早いので、不思議になって聞いてみた。


エリザ「そっ、ウィリアムは、女とかこだわらないような。
好きになってくれる女なら誰でもいいような。
そ、そういうところ。確かにあるから・・・」

色々と話し出すエリザ。ぼそぼそと下を向きながら怪しげにしている。

まさに図星を突かれた!そんな感じを受け、いちじるしく混乱しているようだ。


レオナルドはウィリアムの、・・・つまりエリザの夫の。
のんびりとした『何にもこだわらない』というような雰囲気を思い出した。

それにしてもエリザは不安にしすぎではないのか?と首を傾げる。


レオナルド「良い機会だから別れたらどうだ」



エリザがキッとにらんだ。


エリザ「い、いやです」



その目を見て、彼女の深いウィリアムへの想いを感じた。


胸が苦しくなるレオナルド。

彼女の想いはとてもとても、言葉に出来ないほど重いものだと分かった。


「いずれにせよ、君は当分帰さないからな!
どうせそうさ!
君が想ってるだけで、君の夫は君のことなんて何とも思ってないさ!」

女なら誰でも

と言おうとして、エリザが


エリザ「やめて」

小さく反論した。



エリザ「お願い・・・分かって下さい」

下を向いてしょんぼりとした。


エリザ「彼がどんな人であれ、私が(彼を)好きだから、それでいいんです」


・・・



しばらく、無言のふたりだったが、
やがてエリザはえぐえぐと子供のように泣き出した。


レオナルドは黙っていたが、
あまりに長くずーっと泣いているので、、


「いつまで泣いているんだ 人前で泣くのは好まない(←個人の都合)
だいたい私は君を好きだと こんなに言っている(←言っているのか?)
いい加減泣き止んだらどうだ(泣かせたのだれ)」

と腕を組んで呆れて言った。

エリザはそれどころではない。


「ちょっと待って。静かに泣かせて。
・・・やっぱり女なら誰でも良かったのかな。
良かったのかな。
・・・良かったのかも。
たまたま私が親しげに声を掛けたから。

お、女なら誰でもいいって本当かもしれない。
な、何で今まで・・・(気付かなかったんだろう)」

叫ぶエリザ。
「たまたま、私が好きだって言うから、結婚しようかって言うから、、
こだわらないウィリアムはてきとうに結婚しただけなんだ!!」


うっ、ううーっ!


レオナルドは面食らっている。

大人が見苦しい、、

「(これは心を許してくれている証なのか?

いや、、
それにしてもいい大人が本当にみっともない・・・


イライラが頂点に達したのだろう


パシーン!

とうとう手を上げてしまった。

先程からも、そんな筋合いはないがずっとイライラしていたのだ。
それが溜まって、とうとう・・・。なのだろう。

エリザはパチクリしている。


そのまま、レオナルドは背を向けて、部屋から出て行ってしまった。


自分の置かれている状況がわからず、ひたすらドアの方向を見つめるエリザ。


うるっ、と目を潤ませ、「(ウィリアム・・・)」と心でつぶやく。


どうすれば、ウィリアムは私に夢中になってくれるんだろう。
・・・あのドナルド・・・じゃなくてレオナルドみたいに。


ただ、ただ、呆然とするエリザ。



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