レンレンが花びらの嵐の中、手にしたのは
「茉莉花」ジャスミン。
清純無垢と官能的。
ふたつの花言葉を持つ「白い花」
喬一が美織に贈った花である。
清純無垢で白くてふわふわして温かい
スピリチュアリティ
官能的で黒っぽくて不思議な感じのする
マテリアリティ
ふたつの意味を込めて
さっき摘んでた「変わりやすい愛情」の 蘭 を混ぜて~~
ふたりに送っちゃえ
深き底に眠る火よ 蘇れ!
地深く眠る精霊たちよ 今こそ いでよ!
地上に存在する水たちよ 全てを無に還し給え!
形無き肉体に地の王の刻印を刻まん!
原始の肉よ、今こそ甦れ!
結!
全結!
ウィリアムの娘、レンレンの名において命ずる
いでよ グリストゥン!!
・・・
スピリチュアルとマテリアルと、、そこに「変わりやすい愛情」って
どんな愛情・・・?
ニコーリしながら言うレンレン(誰に)。
「一瞬の愛情。すぐに消えるの。魔法みたいに。
確かに一瞬だけ本当の何かが確実に生み出されるけど、
魔法みたいに 溶けて無くなってしまうの」
そうじゃないと困るでしょ
愛がなくても 喬一と美織はずっと仲が良かった。
今後もずっと仲良くいるであろう。
愛は一瞬の夢。楽しいお花畑の時間だったのだ。
美織にはかけがえのない友人の麗帆(リーファン)や
かけがえのない夫であるアレクシス(玄宗)がいる。
ギルバート、アイリーン、ウィリアム一家、、
今後も・・・大切な人間関係は出来ていくだろうし
壊れていったり、新しく出来ていったり、、
していくだろう。
けれど たとえソーシャルの点で満たされていなくても
ずっとずっと 喬一とは一緒なのだ。
アレクシスとは夫婦だから繋がっているという部分はあるが
愛がなくとも いや愛があっても それでソーシャルが不足していても
離れないこと
それは きっと名前の付けられない何かなのだ
喬一と美織はそういう線、、糸?何かで結ばれている。
「愛がなくてもいいなら~
それでいいじゃない~」
一瞬の花火が一番よね★
レンレンがウィンクする。
レンレンは知らない。
喬一も美織も、両立主義的な愛を芽生えさせ、
そして今までと同じように のんびりまったりと過ごしてゆくことを。
今までと変わらないまま、両立主義的な愛を・・・(二回目)
グリストゥンがないのに。
自力で、芽生えさせたのだ。
人間の持つ「自己」を得たのである。
基本天人は「精神」に偏っている
闇人は「物質」に偏っている
人間はバランスが取れている。
(そうでない人間ももちろんいる)
天人はある意味、清らかではあるが、薄っぺらいと言えば薄っぺらいのだ。
偏っているから・・・
喬一と美織は レンレンがきっかけで、薄っぺらさがなくなり、深みが出来たのだ。
悪と物質は少し繋がりがある。
物質を理解しないのは悪を退けることである。
物質とはお金だとか名誉欲だとか そういうものにも繋がっている。
だが、物質あっての世界だ。
物質があるから人間が生まれ、生物も世界を飛び回っている。
薄っぺらい精神主義で「物質」を否定することは 文字通り、「薄っぺらい」のだ。
精神も物質も兼ね備える天人はとても稀であろう。
喬一も美織も、かけがえのないものを
ふたつ 授かった、と言える。
子供と、紫色の花である。