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子供



どうもおかしい

喬一は落ち着きなく部屋をうろうろしながら考えていた。


邪気がある中で かすかに「美織に似た何か」をずっと感じるのだ。


美織は邪な存在ではない。

邪ならそもそも天界に上がれる訳がない。


「(双子の姉でもいて、その姉が地界にいるとか)」

色々考えてしまう喬一


う"~ん

もさもさっ

美織が起きた。


暗闇の中、(そうだ、美織を起こさないために明かりをつけずに真っ暗の中 喬一はいたのだ)

喬一の姿を確認して、ホッとする美織。



うわ~~~ん!

いきなり声を上げる美織。


白い目の人たちがぁ

えぐっえぐっ

美織が嘘泣きしながら語る


脱衣所に入って着替えて、、


そしたら、、みんなこっち見て、ずずずって

「全員寄ってぎだの!!」


キャーッ!て言う間もなく、、ベタベタ触られて、、

『間違いない。似てる』

『どうすれば繋がるのかしら』

とか

変なことばっかし言って!!


えぐえぐ(嘘泣き)


しかも目が白いのよ


パニくってたから普通は出入り口の方に行くのに

私ったらもう何がなんだか分からなくて

大浴場の方に逃げたの!!


そしたら全員が追い掛けてきて、、

シャワーで応戦、、とか思ってたらドンッ!て突き飛ばされて

ツルッて滑って


・・・


頭打ったんですか

喬一が静かに言う。


うん。
下を向きながら力なく言う美織。


やはり危険だ、 真剣に考える喬一とは対照的に


あの
でもあのお風呂入りたい!(え
お風呂お風呂お風呂ーーー!!

とストレスいっぱいの美織。


お風呂入りたいよう

男湯の方、駄目かな


男の人に会っちゃいますよ

「いいそれでも!事情を話す(興奮している)」
(落ち着いて・・・)


念のため、アイポンでアレクシスに全ての事情を話し、どうだろうと相談した。

<間>


喬一「どうでしたか」

アレクシスが駄目だと言ってくれるのを期待する喬一。


「いいって」

ニコッとする美織。


・・・


はっしっと美織の腕を掴み、「別の旅館に、浴場だけ貸してもらいに行くとか」

と言った。


・・・

今から?菖蒲の刻(下界で言う午前4時)だよ?

無理よ。

大丈夫!誰もいないってば


バッとクンファから降り、ゴソゴソとお風呂の準備をする美織。


パササッ ドアを開け、

颯爽と出て行こうとした瞬間「駄目です」と後ろに立って言われる彼女。


「なんでぇ 私 体が気持ち悪いの 洗ってないと厭なんです」

少し泣きそうな声で言う。


・・・


結局、喬一が脱衣所で見張ってるから女湯に入ることになってしまった。

(女性がもし入ってきたら、事情を詳しく説明しようとした)



「(恐いのにぃ)」


誰もいない大浴場。

軽く体を洗った後にちゃぽ~んと湯船に入る。


まぁ喬一さんがいるからいいか。


次に、気合を入れてゴシゴシ体を洗う。


う"っ


突如、下から 変な声が聞こえる。


でも何か子供のような?

・・・


ゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシ



ガラガラガラッ!

勢い良く大浴場の扉を開ける。


バサッバサササササササ
急いで体を拭く。


喬一「おかえりなさい!」


美織「ただいまなさい!」

喬一「大丈夫でしたか」



タオルでゴシゴシ拭きながら美織は言った。

「へ、変な声が聞こえた」

子供みたいな・・・


ペラペラしゃべってひたすら気分を紛らわそうとする美織。


「子供?」


喬一は首を傾げた。


天界に上がるには成人していないといけない。


そして天界内では子は成せない。

何故子供が。


恐いですな。
片手をあごに当て、考え込む喬一。


もういいや。

部屋に戻りましょう!


すごい早さで髪の毛の水分を取り払い、いつもよれよれのくせにピシッと浴衣を着て

喬一に 部屋に戻るのを促す美織。



何だろう。

お正月早々。
明日はすぐ帰る・・・

「折角のひとり旅、邪魔してしまって御免なさい
何かもう全てが意味不明、、」


美織は布団の中にもぐりこみ、ガクガク震えた。


子供。

ピン!


喬一「(そういうことか)」

謎が解けた喬一。


くるっ

喬一「謎が解けた!」

緊迫した空気の中、常に平常心を失わない喬一。

※つっこみを抑え気味にしています



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