昔、メイチーさんという人に会ったことがある。
お父さん(お義父さん)の知り合いだという。
何か良く分からない人だった。
会うごと会うごと、
クライヴ「(全然知らない人みたいだった)」
定まってない人、と言うか。
でも
明るい気持ちにはなれた。
あの人が泣いていても。
いない時、
暗かった。
空気が。
白くって
黒くって。
バンッ!!
『こんにちはーっ!』
ハッとして・・・
あの人が家に来た時は
すぐに現実が目の前に広がって
空気中に色が染み渡っていく感覚がした。
クライヴ君!
『ホラ、好きだって言ってた ヤオ人形!』
(※幸せを呼ぶ人形。コンロンに売っている
参照)
『す、好きだって言って(ましたっけ?俺)』
女性がとても苦手な僕も・・・
あまりに変わった人だったので、
女性として意識しないでいることが出来た。
でも、あの人が苦手じゃなかったのって
「(レンレンと気が似てるからだったのか)」
薄目で砂漠の風を、、砂嵐を見る。
・・・
白と黒が混じった灰色の自分。
・・・
クライヴ「(白だったら良かった)」
「(或いは黒だったら・・・)」
どちらでもない、
灰色の自分。
悪い意味でも色とりどりなレンレンやメイチーさんは明るくて
人生を謳歌している・・・だろう。
『クライヴ君』
『このホラ、こうしてこうするとこんな暗号が出てくる』
いつも推理問題や数独をやっていたメイチーさん。
彼女は、喜怒哀楽にしても 感受性豊かだから、楽しい気分の時は本当に楽しい思いをしているのだろう。
ポツポツポツ
珍しい、とても珍しい砂漠の雨。
ポツポツポツポツポツポツ
クライヴ君!
手を差し出すメイチーさん。
何故メイチーさんなんだろう。
変な幻影。
頭から離れない。
色鮮やかで自分が定まっていないメイチーさん。
混沌の気と天空の気を両方持っていてデザートウルフが大好きなレンレン。
「(ああ)」
俺は鉛だ。
白の自分と
黒の自分。
分けられたらどんなにいいだろう。
混ざることで見苦しい色になる
・・・
ザクザクザクザク
ザクザク
(砂漠を歩いてる)
メイチーさんを思いだしたのは自分に彩色が出てきた証拠、なのかもしれない
・・・
久し振りに酒場へと足を向ける。
灰色っぽいブランデー。
どういう自分であろうと
灰色であろうと。
そうではなかろうと。
どうでもいい。
ただ、メイチーさんが気がかりだ。
レンレンと繋がっているからだろうか?
「(霊力のない俺でもうっすら気付く・・・)」
メイチーさん。
レインボー・カクテル!
バーテンに大きめの声で注文するクライヴだった。
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