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飛び散り



或る時、喬一が険しい声で美織を呼んだ。

美織が中央の居間に出、傍の雲のソファーに座った。


向かい側の喬一は、腕を組んでとても険しい顔をしている。


美織「・・・?」


・・・

目をつぶって喬一が言う。


「美織、、これから言うことは全部本当のことだ。

何があっても驚かずに、、最後まで聞いてくれ」


「(美織・・・?この人・・・?)」
みぃちゃん、と呼ばない喬一。

固まってしまった彼女。


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初心者聖職者、アコライト。

とても短い期間、アコライトたちは聖職者としての基礎知識を専門の学校で学んだ後、各自冒険の旅に出る。


喬一「そこで、喬一(シャオイー)なる人物と出会った」


神が創った同じ創造物としか思えない程の容姿。

それが、「喬一(シャオイー)」と「来儀(ライイー)」であった。


喬一は、君が半死半生の傷を負った時に看病中に、森の中でキシュリンの花の毒に侵された・・・。


キシュリン。回復剤やヒールでも治らない、「消滅」を待つだけの、、毒を持つ花である。
通常はそう簡単に見つけられないし、めったに生えていないが。


来儀「運が悪かったのだろう・・・」


喬一は同じ容姿を持つ来儀をwis(1:1対話)で呼び出し、「喬一(シャオイー)」として美織を支えてくれと言った。

同じ容姿を持つ人間。
きっとメイチー(美織)はこの人間に自分を見出して少しの間は癒されるだろう。

消滅の間際だ。
にっちもさっちもいかない状況だったから、喬一はそう思って来儀に連絡したと思われる。


メイチー。

メイチーの名前を聞いた来儀。

ふと、、「ピシュリム」というスキルを思い出した。

何もかも、前世も口調も、癖も習慣も容姿も体の特徴も・・・そして記憶も・・・全て同じになるのだ。

持病や病気以外は・・・。

同時に、記憶も持っていかなければならない。その人の。



美織、、私は君を知っていた。

・・・知っていた。





美織「えっと、あれ」


美織が何故か疑わずに混乱しているのには訳があった。



ピシュリムは永らく自分に戻れないという欠点がある。
習慣や癖や、様々なものが変わってしまうのだ。

ただ、相当な時間が経てば元の自分に戻ることが出来る。


このスキルは当然ながらめったに使われることはない。


私は「視」た。

「喬一の過去・・・前世・・・。暗くて黒いもやがかかって・・・
・・・」

深い業を背負っている、そう感じた。


悩んだ末、私は「喬一」になることを選んだ。

喬一は「ピシュリムなんて使わなくても、ただメイチーを助けてくれれば」と言っていたが。


静寂が辺りを包む。


壊したがりの美織も何も言わない。


だが、それでも何も言わない目の前の人物に、美織が問うた。


「ライイーさん、・・・こちらでは「らいぎ」さん。ね。

・・・も、もしかして。
禁呪を私が施したのは、・・・」

・・・


美織「喬一さんは?本人は?どうなったんですか。
ま、まだ確定してないですよ。教えて下さい・・・」


静寂



うんともすんとも言わない喬一(仮)。


ブフッ

緊迫した空気なのに(だからか)吹き出してしまう美織。


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彼の中に居た時、、

「彼の類稀なる徳の高さを感じた」


たまに我に返り、元の人格の中を見ることが出来るらしい。


何年かかるか分からないし、

喬一もどき「相殺されて何も起こらないかもしれないけど

天界に昇る日が来るかもしれない。

地界には堕ちないだろう」


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彼の名前は

「汪 来儀(ワン ライイー)」西洋読み
「汪 来儀(おう らいぎ)」東洋読み

と言った。


美織はぺたん、と崩れて落ちた。


・・・

下を向いた。

美織「確かに、、喬一さんじゃないって思ってた・・・
そ、そんな
でも・・・・疑う気にならない」


今までのことをたくさん思い出す。


喬一さんじゃなくて、、来儀さんだったのね・・・。

麻薬騒ぎの時からずっと

(※過去「むらさき」参照)

実際はもっともっとずっと前からである。


美織は壊れたレコーダーのように言う。

「確かに、、喬一さんじゃないような、、って感じること・・・あった・・・」

ずっと言う。


「こ、子供たちも」


来儀「私の子だな。喬一と、ではない」



あの日の「雲隠プロポーズ」

「(あれは、、喬一さん、ではなかった・・・なるほど・・・)」


美織「うっわ・・・えーっ?」

顔を覆う美織。


空気全体が針のように飛び散って突き刺さる
イタイ。

美織はイタかった。



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