ラベンダー畑、ローズマリー畑、コスモス畑、ヒマワリ畑、ユリ畑、、
など、色々だ。
下界のように、虫駆除の薬を振り掛けるだとか、雑草を引っこ抜くだとかはする必要はなく、
花たちが勝手に自分の面倒を見る。
そんな花たちの、苦情の声や産声、枯れ行く声を聞いて手助けしたり、
すでに種が絶えてしまった花を埋葬し、
専用の書類?のようなものに『絶滅種』として記録、
或いは特別変異のように現れた新たなる花を見つけては、やはり同じ報告書に『新生種』として記録をする。
天界の気が遠くなるたくさんの花々の声をいっこいっこせっせと聴くのだ。
その量は膨大どころの騒ぎではない。
花篠娘々としての勤めの一種を淡々とこなす美織。
う"っ
近付きたくない。
「茉莉花」ゾーン。
・・・喬一さんとの想い出の花だと思っていた。
見るだけで私情が入っちゃう。
最後でいいや。
・・・
『太極仙人』、昇進おめでとう
頑張って言った美織。
「うん」
サッサと歩いて行く来儀。
「うむ、って普通は言ってた。・・・・・・・」
・・・
私が好きだったのは、花をプチプチ怒ったように摘んでいた、、あの初心者聖職者さん。
LUK料理を作って食べて!って押し付けて、、それをムシャムシャ食べながら武器・防具の露店を見ていた聖職者の男性。
<先日の会話>
『もう ・・・消滅しちゃったの?徳が高いんだったら、、いずれ本物の『馮 喬一』さんも・・・
出てくるんですよね?』
美織は必死になって言った。
来儀『さぁ・・・そんなに知りたいか?』
グリストゥン・・・おかしいと思った。
そんな、「物質要素」を掛けられて変わるような人じゃないから。
絶対そんな人じゃない。
美織 『喬一さんは・・・』
来儀 『・・・?』
し・・・ん(し~んの最上級)
『そんなに・・・彼が好きか?』
小さく来儀は言った。
菖蒲の刻(天界の午前4時)。
むくり。
「(眠れない。どうしよ)」
・・・
『そんなに・・・彼が好きか?』
『そんなに・・・彼が好きか?』
「ぎょういぢさん・・・この映像見せてあげたいよ
『別人だ!』
『そろそろねるよー』
とか呑気に言うのよ。きっと」
声に出している。
こういう場においても
全く取り乱さず・・・
「現実を受け止めるしか!」
とか
最新Ver.なら
美織「(想像出来ないなー、って言うのよね)」
最新Ver.はもう『来儀』か。
美織「(しかもピシュリム掛ける前から私を知っている、って何・・・
聞きたくない・・・)」
夜明けの散歩に出る美織。
美織「(はぁ。外のひんやりとした空気が気持ち良い・・・)」
「(そういえば喬一・・・来儀さん。出世したんだ。
・・・それで、色々彼のことを聞かないと。
どういう人なのか・・・」
(余裕がなくて今まで聞けなかった)
・・・
・・・
「(とりあえず朝の冷たい水でも飲もう)」
でろでろ顔で住み処に戻る、よれよれ女仙ひとり。