レオナルドの義理の妹、メイチー。
義理というのは腹違いという意味である。
メイチーさんは、、レンレンみたく冷たく結論だけを言ったり、、
レオナルドみたくどすどす気持ちを押し付けてきたりしない。
ふわっと優しい顔で、私に一番欲しい言葉をくれる。
エリザ「(メイチーさんに会いたい、、)」
もう亡くなっているけど、、
ハッと思い出した。
牡丹の人・・・
そういえば、牡丹の人という片想いの人がいるって言っていた。
どうでもいいんだけど。
「(片想いより、私は結婚してる、、もう離婚したけど
好きな人と一緒になれたんだから、贅沢言っちゃいけないのかな)」
牡丹、、、
牡丹。
・・・
何故か気になるな。
メイチーの笑顔が見えるような気がした。
牡丹の人・・・
クララ「妃殿下、どうかなさいました?」
ぎっくーん
今は召し使い長になっているクララ。
王宮内にあるPCS(パーソナル・コンピューター・サービス)の部屋に行く途中、出くわした。
「(色々聞かれるから、、面倒臭いのにっ)」
少しの行動、動向をいちいちチェックされる。
王家の人間の宿命である。
「(メイチーさんの思い出を懐かしみたくて、、写真とか見ようとPCSの所へ行こうと思ったのよ~)」
エリザ「ちょ、ちょっと調べたいことがあって」
苦笑して言う。
クララ「あら、何です?」
うっ
興味を持たれた!
どうしよう
エリザ「殿下の妹さんの、、メイチーさんについて。。」
クララ「ああ・・・」
故人の話なのでちょっと湿っぽい空気が漂う。
牡丹の人というのを聞いて、、
牡丹、って可愛いなって
テキトーに言っていたら、
あ・・・
ふわりっと優しく笑ってクララが言った。
「牡丹の人、山吹の人、ですね」
な、何この 優しい笑顔・・・
「や、山吹の人?」
クララ「内親王殿下が想っていらしたウィザードさんがいまして・・・
互いに「牡丹の人」「山吹の人」と呼び合ってらしたのです」
エリザ「・・・・・・」
あ、開いた口が塞がらない!!
山吹の人、とは、
「結ばれない女性」
の意である。
エリザ「(うっ うそつきいぃいいい!!!)」
エリザはぐっと目をつぶってメイチーを責めた。
もう故人なのに・・・
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