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あの日から変わらず



これは エリザがアコライト、 ウィリアムがナイトだった頃の話である。

(※アコライト=初心者聖職者、 ナイト=騎士)


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エリザは昔からウィリアムが大好きだった。

ペコペコ(騎士が騎乗する鳥)を見るたびに、

あ、あのペコペコはウィリアムの! と思って


「ウィリアムーッ」と ぴょんっ と抱きつく。


ウィリアムはその様を無視していた。


慣れていた、、というべきか。



あまり好きだと言うので、


或る時、


「そんなにさ、好きっていうなら、、証拠見せて欲しいんだけど」

と言った。


証拠?

考え込んだエリザは 高級紙に「I love you」 と虹色で書いてウィリアムに渡した。


ウィリアムは紙を見つめ、

「ありがとう」

と言って、

丁寧に折りたたんだ。


呆れているように見える彼の顔に焦って、


「へ、変だった?」

と聞くエリザ。



「いや・・・」

ウィリアムはそれだけ言った。



で、、

次の日。

目に涙をためたエリザが がしっ と裾をつかんできた。



ぎょっとしたウィリアムが固まっていると、


「き、嫌わないで、、、」

と言ってきた。



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ウィリアムは日が経つごとに、イライラしてきた。


ウィリアム「(莫迦にされてるみたいだな)」


実際はそうじゃないのだろうけれど、
状況的にそうだろう。


別に、だからどうという訳ではないけれど
ちゃんと示して欲しいと思った。


論より証拠、とでも言うか・・・。


ウィリアム「(口ばっかりなんだよなぁ・・・)」



昔はしっかりした娘だったのに、俺に会った途端にふにゃっとした子になったというか。

ハァッ

ため息が止まらないウィリアムであった。


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プリーストになったエリザ。

(※プリースト=聖職者)


エリザ「これでウィリアムを誘惑(?)しやすくなったかもーv」

と、「こいつはプリーストになんてなってはいけない!」
的なアホなことを考え、空想にふけっていた。
(近づくな危険)


さて、
エリザは記念日なるものが好きなのだが、、

当然の如く、
ウィリアムとの記念日をたくさん作っていた。


初めて会った記念、初めて狩りをした記念、
初めて○○ダンジョンに行った記念、、、


たくさん、手帳に、ウィリアムとの記念日を書いた。


そして「結婚記念日ーv」

と、

まだ結婚していないのに、お気に入りの日に勝手に作った。


この日はどうしようかな?

アイスに「marry me」って書いて渡すとか~

ペコペコを鳥質にして教会に誘い込むとか~(※犯罪です)


エリザはニコニコしながら頭の悪い空想をした。


絶対ウィリアムとこの日に結婚してやるっ!

そう思って意気込んだ。


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12月。

ルティエ(雪の街)の教会で結婚する、ひとつのシーズンの到来の月である。


もうすぐだな~ とわくわくするエリザ。

対し、日に日に表情が険しくなるウィリアム。


待ちきれないように、日を一日一日数えている日々のエリザ。


・・・そんな時、或る夜にウィリアムに手をグイッと引かれて教会に連れて行かれた。

珍しくペコペコに乗っていない。


エリザ「(あれ?記念日まだなのに!・・・っていうかあれ?)」


ウィリアムが私と結婚したいとも思えないし・・・


ハテナマークのエリザ。

エリザ「(ひょっとしてプロポーズ?やだっ どうしよっ!)」

とも期待する。



教会に、バタンッ!と入れられて、そのまま突っ立っていると、


ウィリアム「あのさ・・・」


沈黙の教会の中で口を開くウィリアム。


ウィリアム「前に、、証拠見せて、って言ったよね」



来た来た来た!


プロポーズぅぅ!

エリザは踊りだしそうな気持ちを必死でこらえた。



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