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雷雲



引き続き、アルベルタの森林内。


『御免なさい!!』

アイリーンはそればかりを連呼していた。

イザムバードとのwis。


アイリーン『こんなの、人身御供です!申し訳ありません!』

イザムバードは笑って言った。


イザムバード『あはは。そりゃ驚きましたけど。
でも人身御供ではありませんよ』


アイリーン『ち、違うんです。 私、、振られたからといって、、
あなたに理不尽な八つ当たりをしてしまった。

最低です私』


やはりレオン(アイリーンの甥)に似ているかも、、と思いながらイザムバードが話す。


イザムバード『少々、大袈裟に捉えすぎではないのですか』


アイリーン『いえ、そんなことはありません。 気をつかって頂かなくてもいいです。
私は私でちゃんと自分の道を進んでいきますから』


少しの沈黙。


どうしよう、またどうやって謝るべきか。
困っているアイリーンに


イザムバード『あなたは僕が嫌いですか』

と イザムバードが聞いてきた。

あ、返事来た、、と安心するアイリーン。


アイリーン『嫌いではありません。嫌いじゃないからこうして言っているのです』


やっぱりレオンに似てるよな~;
本当の母親はアイリーンだったりして、、

などと思いながら、イザムバードは言った。


イザムバード『あのー だったらそんなこう、堅苦しくというか、、そんな風に考えなくても・・・』


アイリーン『いいえ、私は人に対して大変失礼なことをしてしまい、挙句こうして気をつかわせてしまって、、本当に情けないんです。

結婚なんて人生の重要なイベントですよ!

そんなものを犠牲にすることなんてありません!』


女レオン面白~い、、と思いながら

イザムバード「(でも、、かつてのアホアイリーンが全然いなくなっちゃった;;)」

と寂しさを感じた。


そうだ。

今まではエリザ(アイリーンの双子の妹)が人身御供の形で物語でアホっぷりを出されてしまっていた訳だが、、

元祖アホは、本当はアイリーンなのである。

エリザよりももっともっと、アホと言えよう。

(どんなレベルだ!)


イザムバード「(あの破片も、、欠片も、、面影もない・・・)」


おっとっといかん、とイザムバードは切り替えた。

イザムバード『あの~、真面目に考えすぎだと思うのですが!
僕そんなに重く語っていますか!』


アイリーン『いいえ。そうではなくて・・・。面倒臭くて御免なさい
私はあなたに、私のために犠牲になって欲しくな・・・」


だったら!!


イザムバードがさえぎった。


『あなたを、ください』



ぶわっ

ふわふわふわふわ


突然、あの暗闇の、大量の花びらの記憶・・・夢? が頭の中に思い浮かんだ。


ばしゃん!


湖から顔を出して・・・


空には明るい満月が輝いていた。


それを、じっと見つめていた。



アイリーン「(どうしてこんな時にあの夢を・・・)」



ピカッ ゴロゴロゴロ



ふたりのこれからを表すように、

空には雨雲と雷雲が立ち込めていた。



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