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刻印



レンレン「まぁそこ、その洞窟にね、名前すらつけてもらえない、

おぞましい存在がいるの」


悪魔だって、『悪魔』って名前があるのにね


その穴は、、地下道になっていて、迷路みたいな暗闇が広がっているのね。


レンレン「ビタタの情報だけじゃあれだから、

一応ジュノー大図書館に行って、、

一般の人間立ち入り禁止の、『研究員専用』の図書館にそっと入って、」


今更「どうやって入った」とか野暮なことを聞かない大人な男ふたり。


レンレン「私なりに調べたのよ。そこでも鍵付きの、何やらげんじゅ~うにしまわれているものとかたくさんあって

そこに書いてあったから、、間違いないわ」


アルフォンス「ビタタの情報が・・・」


草や樹、花々や蝶々はみんな知っているのに、


人間が知らないことはたくさんあるわ。


そこら辺にいる弱い生き物、昆虫だからって莫迦にしちゃ駄目よ


「(じゃあそこらのモンスターと会話出来るレンレンって一体・・・)」

「(この子の方が恐ろしいのでは・・・)」

「(名前のないおぞましいものってレンレンとどっちの方が強い・・・)」


次々と関係ないことを考えるふたり。


あ、

話それちゃったね。


「えーと その なまえのない「なにか」と

『契約」 するのよ」


地界に行く代わりに、憎い相手を、、呪って下さいって。


レンレン「『刻印』を刻んで下さい、って」


アルフォンス「(くっら!)」

暗すぎる!

あまりの暗さに、思わず うえぇぇっとした顔になってしまう。


自分が地界に行っても構わないから

相手をどうこうって、


「(まぁ 知ったこっちゃないがな)」


しかし聞いていて愉快な話ではない。



「(謎の洞窟、刻印、、

レンレンは何故こんな話を。

俺は一体・・・)」


クライヴは何だか厭な予感がした。



でぇ


レンレン「お兄ちゃんの前世のお父さんは、前世のお母さんに刻印を刻んだっぽい」



クライヴは驚いた。

「(おとう、、ええと、・・・)」


ひたすら前世の記憶と照らし合わせようとする。


レンレン「でもその刻印は解かれて、、今は大丈夫みたいだけど。お母さん
あ、今の世のね」



そうだ


お父さんは俺を冷遇し、お母さんは僕を捨てた。


クライヴ「・・・・・・」


刻印まで刻むなんて、、

クライヴ「(ど・・・どれだけ仲が悪かったんだ・・・)」


元々両親はとても仲が悪かった。


クライヴ「(そこまでだったなんて・・・)」


今の世でそんなことをするくらい、憎しみ合う・・・


それなら、その両親から生まれた僕は一体どういう、、

どういう存在なんだ、、、っ


思わず下を向いてしまう。



レンレン「ここまで視えるのは血の繋がった兄妹だから。
でも色々視るの大変だったよ・・・

でも凄くたくさんメイチーさんの念がたくさん伝わってきて。
とてもラクに見れたんだ。これでも」

あははっ と笑うレンレン。


メイチーとは天界に上げられた仙女で、生前はハイウィザードの女性であった。
アルフォンスの友人でもある。


アルフォンス「あまり深く『視』ようとすると頭から出血するんだこの子は。
数日経たないと治らない重傷になる」

ふぅ、と眉間にしわを寄せて腕を組むアルフォンス。


クライヴはとても苦しくなった。

レンレンの包帯を巻いた姿。

「(頭の傷はそういうことか、、、)」


『お兄ちゃん あたしがっ いるじゃないのー!』


「レンレン、御免」


レンレン「どうしたの?」


頭を左右に振り、ひたすら自分という存在を呪うクライヴだった。



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