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フェルディナンド



僕にはお母さんがいない。

でも弟がいる。

弟はお母さん似の可愛い子で、長髪だ。

まだ5つだけど。


お父さんもいる。

女の人からモテるのに

いつも面倒臭そうに欠伸ばっかりしている。


お母さんが何故亡くなったのか詳しくは教えてもらってないから

だからあえて聞かない。


もしかしたら僕たちは捨てられて

そしてどこかで生きているのかもしれない。お母さん。



でも僕はお父さんの姿を見て思った。

あんなにモテるのに再婚もしない女も作らない

ずっとお母さんだけを想っている そんなお父さんを見ると


どんなお母さんであれ、素敵な人だったんだろうなーと思った。


だから、

「女の人」って素敵な存在だと思ったんだ。


きっと悪い女の人は

何らかの辛い過去があってそうなっているんだろうなって。


男は莫迦だけど、女の人は頭が良いからね。



でも、僕は見てしまった。


ある男が、自分の恋人を明け渡す、・・・他の男に「やるよ」って

まるで犬や猫(も他人にホイホイあげないだろう・・・)のように差し出そうとしているのを。



面倒なんだよな。

好きなことは好きだったんだよ

でも時間が経つとな 俺ほら飽きっぽいからさ

おまえこいつのこと好きなんだろ?やるよ

まだ何もしてないから大丈夫。新品そのものだよ



あまりにすごい喧騒(騒音的なもの)だったから、

何かって思って


表に行って見てみたんだ。



相手の男が、、「それでもおまえは人間なのか」

「彼女の気持ちは、、彼女の気持ちに立って考えろ」

そんな感じのことを言っていた。




僕は、女の人を明け渡そうとしていた男を見た。


「俺は俺を世界で一番愛している」って顔。


100万回生きたねこ(佐野洋子著)の、

あの自分しか愛せない猫みたいな・・・

(子供にこんなこと思われたらマジでおしまいです)




じっと見ながら、、


「おにいたん!」

後ろから裾を引っ張る弟に気付いた。


「おにいたん退治してよ!」

え?

「おにいたん やでしょ。あんな男」


おい、フランシス 僕はどうすることも、、


あるよ!

100万回生きたねこ、あるでしょ!

(5歳児です!)


あれの 白猫になればいいんだよ

それでね、


最後の最後で裏切ってやればいい!


フェルディナンド「は?」

白猫、って・・・「僕は男だ!(白猫はメスです)」



おにいたんが来世で女になればいいんだ!

そしてあいつを骨抜きにして(骨抜き・・・)

そして最後に裏切るんだ!


「何度も!」



頭に浮かぶ、100万回生きたねこ、の白猫


白猫が亡くなった時、あの自分大好きな猫は100万回泣いてた。



くるっと 件の場所を見る。

女の人はずっと下を向いて空虚な目をしながら・・・哀しそうにしている



・・・絵でしか見たことないけど あのはかなげな感じとか ・・・

お母さん

別人なのは分かってるけど

お母さんは哀しい時ああいう顔をしていたんだろう・・・か?



泣きそうな顔をしている、メレディス。

そう、件の場所にいた、引き渡されそうになっている女性はメレディスだった。



何故恨まない。

何故怒らない。


「お母さん・・・」



宇宙さえも全て燃やし尽くすほどの激しい怒りが襲った。


・・・?

え?

・・・

ぼ、僕はこんなに激しい人間だったのか?

恐ろしいよ

こんなに恐い人間だったなんて


ぼうううう!!!!!


ぐっ

身震いがする。


な、何だこの激しい怒りは!

俺はこんなに恐ろしい人間だったのか?


・・・それは「赤い炎」から、より冷酷で温度の高い「青い炎」に変わった。



彼は生まれながらの恐ろしい、、王たる素質を持っていた。


決して 怒らせてはいけない人。

それがフェルディナンドであった。



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