アレクシス(玄宗)「お久し振りです、ズッコケさん」
握手するふたり。
「あれ?メイちゃんもご一緒?え、大丈夫なの?」
ふたりは一緒にいてはいけないという禁呪持ち同士だったのでは、、と焦るズッコケ。
何がですか?
ズッコケ「いや、禁呪持ち、、
ほら、山吹、牡丹、、」
で
「ああ」と納得したふたり。
アレクシス「運命を乗り越えましてね」
腕を組んで挑発的に言うアレクシス。
メイチー(美織)「(何故、ズッコケに対してこうなの、、)」
あんなに褒めてたくせに・・・
(※基本、下界ではカタカナ表記)
ズッコケ「え、えー? 大丈夫なん?
そんな簡単に・・・」
アレクシス「僕らの絆は強固です。
運命とか関係ないのです」
メイチー「(ちょっと、変な空気になっちゃう・・・。
ど、どうしよう)」
やけに虚勢を張っているアレクシスに目を回しそうになるメイチー。
(※基本的に第三者がいる時やパブリックの場では「アレクシス」と呼んでいる)
ズッコケは感動した顔になって
良く分からないが、、
でもやっぱり、、そうか。そうなんだな。
そうやって一緒にいるのが、、?何よりの証拠か・・・
「運命ってやつはどうにでもなるんだなぁ・・・」
と笑みをたたえながら言った。
彼は愛だとかロマンチックだとかそういうものが大好きで、
そういう類のものを感じさせるようなふたりの姿を見て、少しときめきを感じてしまったようである。
アレクシス「まさか医師になられていたとは。
生前からあなたの聡明さは良く存じ上げておりましたが」
ハラハラするメイチー。
ズッコケ「いや、たまたま頼まれてな。
大変だよ モロクには医院がひとつしかないから」
メイチー「あれ?大丈夫、、なのでしょうか。患者さん」
ズッコケ「アレクシス君から連絡をもらってから 速攻で表に「休診日」の札立てたから。
あったでしょ?」
あ、そういえば、、、
いや~でも久し振りだなぁ
奥からお酒を取り出してくるズッコケ。
「白衣脱いだ方がいいかい?
っていうか何、またバカみたいに天人の仕事してんの?」
アレクシス「ええ。大変です。
今はこうして結婚休暇中ということでゆっくり出来ていますが」
お??
思わず手を止めるズッコケ。
ズッコケ「おおぉぉお?け、結婚?
マジで。いつ??」
アレクシス「ついこの前です。
ですから今は、」
つい、とメイチーを引き寄せた。
「新婚、という訳です」
ほ~
え、って大丈夫なの?
まぁ、、
・・・そうか。
結婚か
ついに 結婚まで出来たのか・・・
映画みたいだな・・・
ズッコケ「でも何故?天に上がれば運命が変わるとかあるんか
それとも誰かに頼んだんかい」
アレクシス「さぁ良く分かりません」
?
へぇ。何でなんだろうな、、
メイチー「天に上がれば、下界での運命が消える、、とか
そういうこと、、でもない気がするのですが
本当私もさっぱり分からなくて」
ズッコケ「?さっぱり分からないのに。良く結婚の決断を踏み出せたね、、?」
うぐっ
ふたりは固まった
「(事情・・・結婚した事情、、なんてとても言えない、、)」
しかしアレクシスはまたあれなことを言った。
アレクシス「妻がどうしてもと。
僕はそれに応える形になりまして」
メイチー「ちっ 違う!!」
てか何!妻って!
あ、あの
えーと
「禁呪持ち同士、結婚でもしてみようかー
テストみたいな感じで、
・・・っていうような風になって。はい」
ズッコケ「ほ~
なるほど。
でもテストって 下手したら何かあるかもしれないのに
根性あるなぁ 割と」
ズッコケは両手を頭の後ろで組んだ。
えーと
えーと
き、聞きたいことがあるのよ~
メイチーはドキドキした。
タイミングが分からない。
その様子を、少しつまらなそうに見守るアレクシスであった。
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