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四季



今度は10歳の女の子ですって。

お金持ちの考えることって分かんないわー

やだっ、何か変な趣味でもあるんじゃない?


関係のない人間は好きなだけ噂をした。



父親はいとも簡単にリリアを売ってしまった。


母親も、、リリアを守らなかった。


母親も母親で、お金が大切だったし、

自分はこんな何度も職を変える旦那を持っているのに、

娘は大富豪の囲われ者(すごい単語・・・)になれる。


それが許せなかった。


同じ女として、娘にライバル心を感じたのだ。



誰も守る人間のいないリリアは 全てを諦め、

マリアンに別れを言った。


「あたしっ!あんたのお父さんに抗議しに言ってくる!」


そういうマリアンに

「私ね、貧しい人間て嫌い」


「もうこれでお別れよ」

「もう二度と近づかないで」


あたし、お金持ちの妾のひとりになったのよ

お金に不自由しないの


あたしに触らないで 汚らわしい



後半は思わず涙が出てしまった。



「(リリア・・・)」


マリアンは、分かっていた。


リリアの優しい心を。



そして。


少しずつ リリアは







うぐぅっ

心の中の声だ。


アルフォンスは目をつぶり、頭を押さえた。




「(そうやって!そうやって心を殺されていったんだ!!)」



で、でも、、


俺は 男として分かる


君が


君がどんなに


いかに、魅力的だったかを、、、



春のように柔らかい笑顔で、そして華やかな美しさで誰のことも魅了する


時折しか見せない、、あのふわっ とした 笑顔



夏のようにお転婆で はちゃめちゃで、でも厳しい時は誰のことも圧倒させる


愉快だわぁ~っ! と豪快にお酒を呑んでいた彼女



秋のようにはかなげで色っぽくて 近づきたくても近づけないオーラを振りまく


私の秘密、知っているんでしょ



冬のように冷たくて凛としていて、でも優しくそっといつの間にか手を差し伸べてくれる


ええ




四季なんだ


春の君

夏のあなた

秋の君

冬の君


分かる

それはな

金を出しても買いたい、という気持ち




それが13年前、、、



俺がリリアと会ったのは10年前。



「知っているんでしょ」

私の秘密



俺は14歳、彼女は13歳だった。


雇い主が亡くなって、、

彼女は解放されて、


その時は13歳になっていた。



リヒタルゼンの富豪に囲われていた過去。

それが10歳から13歳の時まで。

そしてそれがあって、お金もだいぶ手に入れ、

冒険者になれたこと。。



彼女の噂は、、


彼女の生家があった アルベルタでは

誰も知らない者はいない程になった。


が。


噂はすぐに消える。


半年も経てば、何だっけそれという風潮に変わっていった。



「(直接リリアが関わることではないが・・・)」

少し関連がある、この事件(?)


思い出したくない過去を思い出してしまった。



女の運命だとかリスク。


そういったものを考えるアルフォンス。


「(とりあえずレンレンにwisをしよう)」


『通信不可』

機械的な通信音が流れる。



どういうことだ


レンレン!



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