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桜の国、アマツ



パラパラパラ


うわー 予想以上に降ってるねぇ


桜が舞い散る中をふわりふわりと歩くレンレン。


ハラリ ハラリ ハラリ


辺りを何故かキョロキョロと見渡してしまう。

「(不思議な空間・・・)」

アルフォンスは薄い水の中を漂っているような感覚を覚えた。


ハラハラハラ


ああ


舞い散る・・・


「(そうか。感覚が似ているのか)」



紅葉(もみじ)が舞い散る中。


先に歩いていた。


それを、後から追う形で俺は歩いていた。



ふと 彼女が振り向いた


ねぇ


私の秘密、知っているんでしょ




レンレン「アルフォンス?」


ハッとするアルフォンス。


どーしたのよ。そんなに桜に見とれちゃったの?


「あ、ああ」

ニコ、と笑ってみる。


くるっと背を向けて、お城を指さすレンレン。

「あれなんだろ?あれがオシロ、ってやつかな」


大きな建物が見える。

一番上には金色の曲がった魚のようなモニュメントが飾られている。


「後であそこに行っていい?」

目を輝かせてレンレンが言う。


「ああ、行くか」

腕を組んで微笑するアルフォンス。


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美味しいね、この「モツナベ」


もつ鍋、ってこう書くんだぞ

アルフォンスはテーブルに字を書いてレンレンに教えた。


へぇ、あ、そうか。 もつ、と鍋、が分かれているのね。


「他に、鍋の種類としてちゃんこ鍋とかキムチ鍋とか

おでん、というのも鍋の一種らしい」


レンレン「ふぅ~ん」


汁の方が気に入ったのか、ズズーッと飲むレンレン。


アルフォンスは勉強家なので 事前に「鍋」なるものを勉強していた。

(ここら辺がプロ大卒のサガとも言うべきか、、)


あれ?

やっぱり!


レンレンでしょ?

遠くから声が聞こえる。



「アイリーン伯母さんっっ」

びっくりして声がする方を見る。


「やっだ、すごい偶然、来てたんだー」

満面の笑みでアイリーンが手を振る。


アイリーンはレンレンの母親の双子の姉である。


「誰かお知り合いですか!」

アイリーンと一緒に来ていたイザムバードが声を掛ける。


「私の姪よ。ほら、超常現象のレンレン!」


イザムバード「ああ、あの人か!」


レンレンは並外れた霊力の高さと、呪いの10歳という身の上のせいで大陸中でも有名人なのである。(名物的な意味で)


イザムバード「ということは、いもむとさんはすごい人だったのか!」


アイリーン「違うわよ(笑) レンレンがすごいだけで」

私は関係ない


でも関係者じゃないですか!すげへ!


あはは、でも私霊力ないし、、

聖職者なのに殴りの道に入ったから霊力失っちゃったし。


ウィザード系(魔法使い職)やプリースト系(聖職者職)は自動的にある種の霊力が備わるのだが、「殴り」という 自ら敵を殴る道に入ると、その霊力を失ってしまう。


アイリーン「あの黒髪のメカニックさんはレンレンと暮らしているっていう人なんだろうなぁ」

(※メカニック=鍛冶職人の最上位職)


イザムバード「いもむとさん!カレー鍋も美味しいですよ!」

あらやだ、カレー鍋ってのもあったの?

うまそー!


うまそー、って何か言葉づかい悪いですよ!

何となく!


あら、気を付けなきゃ。



じーっと見ながら


「楽しそうね~」

レンレンが羨ましそうにアイリーンたちを見る。


伯母夫婦?とアルフォンスが聞く。


「あ、いや、、隣のアサシンクロスの人、、多分別れた旦那さん」

夫婦じゃなーい

(※アサシンクロス=暗殺者職の上位職)


へぇ、と答えるアルフォンス。



少し経ち、いそいそとお店を出ようとするアイリーンとイザムバード。


「私たちこれからね、お城3階の女雛を観に行ってくる~」


レンレン「女雛?」


「うん、男雛がいない女雛、っていうがあってちょっとした謎になっているの

観に行ってこようかと思って」


そうなん、、

だ、と言おうとして、


レンレン「行っちゃ駄目!」

と思わずレンレンは身を起こして大きな声で言った。


アイリーンは目をぱちくりする。


「ど、どうして?」

何かあるの?


何か、、

何か行っちゃ駄目な気がする。


「行かないで」



只ならぬ様子のレンレン。


彼女の力を知っているアイリーンは真っ青になった。


「わ、分かった」

行くのやめる。

怖いの嫌い。

読んだり聞いたりするのは好きだけど、自分が怖い目に遭うのはいやだ!


イザムバードも何となく厭な感じを感じ取り、、

「じゃあ行くのはキャンセルで!」

と言った。


アイリーンは、オカルトな場所に行って悪い気とか付けちゃったらいけないからやめようと言った。


イザムバード「何か分からないけど、行くといけないのならやめましょう!」


アイリーン「・・・あの水に浸かった神社にでも行きましょうか」

代わりに


イザムバード「はひ!」



そしてふたりは去っていった。


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そして、、夜になる頃。



夜桜がキレイね、と大人の女性のような顔でレンレンが微笑みながら桜の花びらを両手で受け止めている時に



アサシンクロスの男性と、殴りと思われるアークビショップの女性が行方不明になった

という騒ぎが起こっていた。


(※アークビショップ=聖職者。聖職者の最上位職。)



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