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御免ね



ある朝、リリアは青い顔をしながら起きてきた。

着替えもせず、そのまま朝食の用意をした。


頭がズキズキする。


どこもかしこも痛い、、、


このまま流されそう

水に。


「起きてたのか」


後ろからアルフォンスの声がする。


「うん」

短く答えた。


その

アルフォンスは言いにくそうだ。



黙って朝食の準備をするリリア。


「・・・・・・」


て、手伝う


アルフォンスはキッチンに近づいた。


「いい」

きつめに言い放つリリア。



サーッ


青くなったが、

「そうか」
とだけ、短く返して、


アルフォンスはその場を去った。


終わりの無い迷路


迷いに迷って やっと別道が出来ても

元に戻る

君と僕との関係だ。

それなら迷路に爆薬を仕掛ければいい

途方もなく威力の強い爆薬を。


道は開けたのか。


君は居た。

透明のままの君が。


・・・



リリアは人間を捨てていた。

だから昨日映る風景も、、今日映る風景も、、

あまり変わりは無かった。



そしてふたりはずっと一緒にいた。

リリアは何年経っても1ミクロンも変わらないままだったが(お酒を呑むと人が変わるようになるが)、アルフォンスは幸せだった。


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嵐の日。


元々病弱なリリアがすごい汗をかいてベッドに横になっていた。

異常に気付いたアルフォンスが慌てて彼女を看病した。

拭いても拭いても、止まらない彼女の汗。


流行り病が浸透しているという噂があったから、事前に予防的なことはやっておいたのに。

アルフォンスは自分自身も汗をかきながら、必死で看病した。


彼女はずっと朦朧とした状態のまま、数日間を過ごした。


何日経ったのか。

たった3日かもしれないし、1週間ぐらい経っていたのかもしれない。


うつらうつらとしていたアルフォンスが おっと、、と目を開けると、


初めて見るリリアの微笑がそこにあった。


リリア?


「アルフォンス、、御免ね」

彼女は目をつぶって泣いた。


「おいっ!御免て何だ!」

どういう意味だ


リリアを激しく揺さぶった。


何やってる!ふざけんな!

少し涙が出てきた。


「私、、無理みたい」

力なく言うリリア


「いやだ!ふざけんな!」

そこで初めて涙が出た。


「あたしね、、、


あなたにこういう風に大切にされて、、幸せだったのよ」


アルフォンスの手を、両手でそっと挟んで言うリリア。


「変なこと言うな!去る気か!」

激しく揺さぶる。


そんなことをすれば更に悪くなるのに。

色々考える理性すら失い、ただただ、必死になる自分しかいない


「御免なさ、、」



い を言い終わる前に彼女は事切れた。



アルフォンスは、冷静に、リリアの鼓動や脈拍を何度も何度も調べて

生きているか確認した。

何度も何度も・・・。



揺さぶり、、起こそうともした。


何度も何度も・・・。



涙もこらえた。


だって本当に亡くなっているのだと認めてしまうようだったから。






そうして、ホワイトスミスのアルフォンスは一度 消えた。

モロクの街(砂漠の都市)に行き、或るハイウィザードの女性から強烈なビンタをくらうまで、

ずっと不良アサシンとして過ごすことになる。

(※ハイウィザード=魔法使い系の上位職)



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