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パクり



ズッコケのところから帰ってきて リューン リューン と天界の 夜の虫たちが鳴いている中を

美織は帰ってきた。


パササッ(クドイようですが天界のドアの開く音)


「あ・・・」

奥には玄宗のいる雰囲気。

しばらく立ち止まったままだったが、
そのまま スタスタと歩いていった。

パササッ

迷いもなく 玄宗の部屋のドアを開ける。

「げ、玄宗」

「話したいことがあるの」

読書していたらしく、机を前に座っていたようだ。


『話したいことがある』


嫌な予感でもしたのか


玄宗「明日にしてくれないか」
すぐに背を向ける彼。


美織「明日でも同じでしょ」

下を向いて美織は言う。

「あ、あの」

勇気を出して言う。

「離れたい !」


玄宗は微動だにしない。


が、すぐに静かな声で「駄目だ」と言った。


うっ

ピシッとしたこの感じ。

何か、、 怖い。

美織「だってこれ以上、冷たくされるの厭!」

夫婦って楽しくあるべきでしょ

何か嫌われるような態度取られたりしたら傷付く。


玄宗「喬一さんのところへ行って、彼を壊したいのか」

美織「そんなこと絶対絶対しない!」
ふと、大声で叫んでしまったことを恥じる彼女。


玄宗「僕の勘だけど 喬一君は・・・」


・・・?

思わず顔を上げる美織。

玄宗「離れたりなんてしたら、彼は 」


その先を何となく察する美織。

続けない玄宗。

机に目を移して ふぅっとため息を付く。


・・・夜桜の精である ロレイン(葛葉)も言っていた。

『そういう、ことだったのね』


「(私と喬一さんのことをそう言っていた)」





有り得ない。

私 勘が鋭いもの。

何も感じない・・・

それだけは 絶対ない(汗)


喬一さんは なんとか旅行だのメイリャンだの聞くと
「僕ちょっと用事があります!」って逃げちゃう人だけど


玉清である玄宗にライバル心を持っているとか
なんとか旅行だのなんだの、色恋ものが苦手で「浮ついてる人キライ!」っていう意味で
ダダダッて逃げちゃうっていうだけの話で。


美織は思った。

「(玄宗は、離れたりしたら 喬一さんが、、
って心配しているのかな)」


「私、喬一さんとは絶対一緒にならないよ・・・」

驚いた顔をして美織を見る玄宗。


美織「だって私、冥界の王と繋がってる『麻薬』なんでしょ。
喬一さんを壊しちゃうと。

挙句、冥界の王に 喬一さんが行っちゃう ・・・んでしょ」

あ、行っちゃうじゃなくて 渡される。か。



しばらく黙っていた玄宗だったが

「でも君は」
喬一君のことを想っているんだろ

と言う。
「(・・・アレクシスモード(と先日命名した)だと、「君」付けになるのか・・・)」
とどうでもいいことを考える美織。

「何だっけ?」と聞き直す美織。


?とした顔で困惑しながら、

「・・・結局君は、喬一さんを想っているんだろ?」と玄宗。


美織「(今度はさん付けになった)」
再度どうでもいいことを考える美織。


・・・

「まぁ」

どうしてか分からないけど


白湯(さゆ)ぐらいだったのに

「いつの間にか牛骨ラーメンになっちゃって」



パクられた!

意外とショックを受ける玄宗であった。



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