「(もちろん選択するとしたら喬一さんだけど )」
何かもう、私は・・・
・・・
私がいつまでもいつまでも あの人の上に降り注ぐ雨になれたら それでいい
雨は恵みの雨だし
でも時に 雨は冷たいわ
服も濡れちゃうし ・・・
厭な思いだってする
・・・
「(私は 茉莉花(ジャスミン)の雨になる)」
花びらの雨。
軽くて、濡れる心配もない。
ほんのり 香りもして
そんな 茉莉花の雨。
いつまでも降り続ける、、
いや、たまに雨が降るように
たまに、降る感じでいいか。
サーッ
と。
いつでもテキトウに
私を忘れないで って
たまに降らせるの
或る時はたくさん
或る時はずっと日照りのままで降らせない
清純無垢のまま、いよう
いつもは「自分の生きたいように!」
なんて言ってる喬一さんが「清純無垢で」と言ってくれたから。
・・・
私は清純無垢をとりあえず絶対的なものとして中央に据えるけど
色んな 悪い色も 良い色も どっちでもない色も どっちも含んでいる色も
色々あるかも。
茉莉花の雨。
色んな 色の雨が降るかもしれない。
あなたを驚かせるかもしれない ・・・
ただ、
これだけは
私は・・・
「玄宗」
蝶谷(ディエコウ)山。
以前、玄宗と 美織が話をした所である。
(そして喬一に再会したところ、、)
君から話があるなんて
どういう風の吹き回しかな
(※アレクシスモード)
「別にミョンホンでも雲の住み処ででも良かったんだけど
何となく・・・」
少し、うろちょろする美織。
「玄宗」
再度彼の名を呼ぶ 美織。
玄宗は顔を上げた。
ニコッと笑って美織は言う。
「ずっと、一緒にいよう」
・・・?
玄宗は困惑する。
だって君は。
「喬一君が・・・」
美織「いいの」
私たちは。 もう大丈夫だから
蝶谷山から見える 下の景色を観ながら 美織は言った。
1、生前は『禁呪』を授けた仲
2、天界に上がっても、ずーっと一緒
3、玄宗とこういうことになっても、結局、仲は変わらず。
美織「お互いのほのぼのした気持ちは ずっと変わらなかった」
彼女は語る。
麻薬的要素があっても、
しょっちゅう会わなければいいだけの話だと
美織「最善の策は「ずっと玄宗といること」なのかなって」
私たちはもういいの
「絆をちゃんと確かめ合えたし
絶対切れない絆がある、・・・かどうか分からないけど
何か、大丈夫だな、って」
・・・
彼女は笑った。
「冥界の王は ・・・やっぱり怖いしね」
そんな感じ・・・
と美織。
ピーヒョロロロ ポロロロピー
パーポー ピララララー
天界の鳥が鳴いている。
「(まぁいいさ
君のしたいようにしたらいい)」
汗をかく玄宗。
「(まっ、退屈しないよな。
自由に生きてる彼女・・・面白いよな)」
フーッとため息をついて微笑する玄宗。
「(ずっと僕の妻でいてね
なるべくね)」
なるべく、ね・・・
遠くを見つめる玄宗。
美織は
とても良い夫を持ったのを知らない。
いつまでもいつまでも
蝶谷山から美しい景色を、観ているふたり。