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マジシャンとウィザード



アレクシス。

東洋名:玄宗(シェンホウ、げんそう)


アレクシスの 頭脳、容姿、才能、運動神経、魔力は、


人間は、結局 一生懸命勉強するのだとか、血のにじむような努力をするのだとか

そういうのではなく もう 持って生まれた資質によって全てが決まっているのだと

圧倒的に示しているかのように・・・

ただただ、美しい均整の取れた世界を築いていた。


彼は完璧だった。


秩序型人間ではあるが、だからと言って混沌が分からない訳ではなく、

知識としてちゃんと隅々まで知っているし、

冷静に、理論、理屈で行動が出来るが、

感情も上手くコントロールしてロマンを楽しむ技術も心得ていた。


・・・

その彼は、生前 美織と淡い想いを交し合った。

それは「禁呪」というものを持つ者同士の馴れ合いから始まって

ゆずジュースのような さっぱりとした雰囲気へと変化していき、

運命によって サッ と 桜のように散っていった、、はかないものだった。




パチャパチャッ

川辺で裸足の足をパチャパチャさせている少女がいた。


何かを感じて(多分禁呪関係の説明出来ない何か)

あたふたっ と声を掛けてしまったアレクシス。

何故あたふたしてたのかは分からない。


マジシャンの少女はこっちを振り向く。
(※マジシャン=初級魔術師)


少女「誰だ、おまえ」


ハッと 我に返るアレクシス。


お、おまえ、って

その言葉に驚くが、、

馴染んでるように思えるその口調に


あれ、、と思う彼。


少女は更にくるりと向き直り、じぃっと見てきた。

アレクシスは周りがぐるぐる回っているような感覚を覚えた。


アレクシス「あ、あの」

少女「おまえ、ウィザードか」

(※ウィザード=中級魔術師)


アレクシス「は、はい」

小さい声しか出ない。

「(こ、こんな小さい少女に)」

怖さのせいか、少し下を向いてしまう彼。


少女「おまえ、カッコいいな」


少女は機嫌が良さそうに言った。


少女「ウィザードの男はカッコいいと思ってたんだ

実物を見るのは初めてだ」


この口調・・・

アレクシス「(そうか、、)」

察する彼。


少女「先に声を掛けた無礼は許してやる

その代わり あれだ
魔法を見せろ」


ま、魔法?

「す、ストームガストとか?」


それでもいいが

「私はロードオブヴァーミリオンが好きだ」
と少女。

 
えっ
戸惑うアレクシス。

「ぼ、僕はロードオブヴァーミリオンは持っていない」
 
(※両方とも、ウィザード系職が使える範囲魔法)

 
キョトン、とした後に、
「なんだ」
 
つまらなそうにくるっと背を向ける少女。

 
パチャパチャッ
 
再度 足を川で遊ばせる。


『先に声を掛けた無礼は許してやる』


何となくだけど、年下が 先に年上に声掛けるのが失礼な感じがするように、、

「(色々な場とかでもそういう 下の者が先に上の者に声は掛けてはいけないというのはあるな)」


『先に声を掛けた無礼は許してやる』


このこは身分の高い人なんだな

と思うアレクシス。



でも何故 マジシャンに。

「(何か事情でもあるのかな)」


 
それがきっかけだった。


次第に仲良くなり。


塩ラーメンのような関係を築くことになる。

アレクシスと知り合って少しして、ようやく美織は「一般の言葉」なるものを覚え、話せるようになった。



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