或る、三次元を模した仮想空間の多人数参加型オンラインゲーム・・・内。
コンロンと言う空中に浮いている街の、浮いてる階段内。
そこのひとつに座り、サア(子供が吸うタバコのようなもの。タバコではない)を吸いながら魔術師の女性が黄昏ていた。
おっす!
後ろから声が掛かり、女性は振り返る。
金髪ショートヘアの格好良い系の女性が「敬礼」のポーズで立っていた。
「やっぱアンタここいたね」 隣に腰を下ろす。
「多摩高生、どしたの」 バナナジュースを飲みながら聞く金髪女性。
しょぼーん
消滅しちゃったぁー
へー
「また新しいの見つければ」
「多摩高生」。ペットの名前である。
この世界では様々なペットがおり、育てて楽しむことが可能だ。
通常はめったにないが、この女性、、ソフィアはペットに育成にハマり、ゲームよりもそっちがメインになっていた。
・・・
ソフィア「もう育てるペットいないのよ~。ボスキャラならいるけど、、捕まえるなんて出来ないし。
(レベル低いから)」
・・・
金髪女性は「メカニック」という機械工職兼鍛冶師だ。
名前はツイシー(翠杏)。
おーい
「何やってんの?」
石の階段を登り、ある王宮警護兵の男性がやってきた。
ソフィア「あ、ジークフリードさん」
いつも顔の書いてあるおまんじゅうを持ってくる人間である。
ジークフリード「ジークでいいって。ソフィアちゃんは丁寧だよねー」
ジークは笑う。
アンタちょっと。
ツイシーがムッとする。
「デート邪魔しないでくれる」
ジーク「参ったな、いい情報を」
びゅうううぅううぅぅうぅぅ!!
物凄い風が吹き抜けた。
すっごい風ね。
参った参った。
ツイシーは軽く髪を整えている。
何故だか鶏麺専門店に来ている3人。
ツイシーがご機嫌斜めっぽいのを見てあたふたするソフィア。
ソフィア「ね、ツイシー。今度どっか行く?水族館とか~♪」
友達なのに、ソフィアは一歩下がっている。
「べぇっつにー。アンタとならーどこでもいいけど。あ、狩りじゃない時ね」
ツンッと横向いたままである。
ジーク「おまえらさ、レズなんじゃないの?」
呆れて言うジーク。
ツイシー「だぁ~ったらどうすんの」 答えるツイシー。
(間)
ガタッ!!
あっ 「あ、すっすいませっ」
座りなおすソフィア。
少し引くジークとツイシー。
ジーク『あるらしいんだよ。どこかの街に、石像が。
その呪いを解くとペットになるらしい。
最強のペットだってさ』
育ててみたいですね~・・・
神妙に聞くソフィア。
ジークは言った。
「下手したらヤバイことになるらしい」
ドキドキドキッ!
ソフィアは何故か動悸がした。
ばかばかしい。
ガタッ
ツイシーは席を立った。
「ペット如きでさ~」
数秒後にツイシーはいなくなってしまった。
やれやれ、というポーズをするジーク。
「探してみれば。操れたら猛獣使いになれるぜ」
少し面白い単語が出てきてふわんと和む空気が漂う。
この世界では「猛獣使い」なる冒険者職はない。
ソフィア。
まんじゅう買いに行くか!
ジークは空気を読んで提案した。
そこでは杏仁豆腐をたべたきりである。
普通にお腹に食べ物が入る状態だ。
「酒まんじゅうかなー」
どうした 振り返るジーク。
あ、何でもないです
不安な気持ちが襲い来る。。
どこかで何かが呼んでいるような気がして。
同時に拒まれているような気もするソフィア。
脳みそが萎縮する感覚。
マクシミリアン「ソフィアだ!」
『マックとミリー』の主人公のひとり「マクシミリアン」
上級魔術師である。
[ 点心屋(デザート屋) ]
マクシミリアン「俺に任せとけ!」
あっはは
「これで百万の兵を得たも同じだぁ~っ♪」
ソフィアがすっかり笑顔を取り戻した。
ソフィアはほんっとマクシミリアンと仲良いよなぁ~(汗)
裏のふっか~い事情を知らないジークがしみじみと言う。
マクシミリアン「まぁ何かあったら俺に言えよ」
何かあったら=ペットのことで何か困ったら
ジーク「(他人にこんなに優しくするマクシミリアンて・・・おかしい)」
こうして、勇気をもらったソフィアは石像探しに出た・・・に至る。
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