レンレン「ここに蕎麦(そば)の精が、、来るのね」
ライル「うん。もうそろそろだ」
厚い霧。
ライル、は
泰智仙人。
蕎麦のまんじゅうを食べる3人。
グイシー「力を持ちすぎるのも大変ねぇ」
ライル「俺ほどじゃないがレンレンは凄いからな」
レンレンはぼーっとしている。
くるっとレンレンを振り返ってグイシーが言う。
「でもさ、調子に乗ろうよ?
それくらいのことが自分で出来たって」
あたしなんて~天人のくせに全然駄目駄目。
レンレンは引き続きぼーっとしている。
グイシー「重症だわこりゃ」
レンレンは特殊な力を持つがゆえに、様々な国を巻き込んでとんでもないことをやらかしてしまったのだ。
・・・
初めは慰めに来ていた人間たちも
「そっとしておいた方がいい・・・」
と遠慮して去っていった。
コアラルン・ミョウ・ウ
蕎麦の精・グイシーの名において命ずる
癒々八龍、我の元へ!
この者を、頼む!
ばっちゃ~ん
白い滝がざっぱんっとレンレンに掛かった。
ライルが心配そうに見守っている。(遠くに一時避難していた
ここでしばらくして掛けられたものはすさまじい速度で癒されてゆく。
『癒々の術』
精神、肉体を両方癒す術である。
ライル「グイシーさん」
グイシー「だぁってそんな辛気臭い顔して白けちゃうもの。
あとは自分で何とかしてちょうだい!」
そう言ってグイシーは遠ざかって行った。
癒々の術がほとんど効かなかったのである。
レンレンの精神の器が大きすぎて癒しきれなかった・・・と思われる。
ライル「自分の力の無さを人のせいにして・・・やれやれ
これだから女は」
ライルはグイシーのぞんざいな態度に呆れた。
レンレン「『癒々の術』でも駄目・・・。
相当ひどいってことねぇ、、(汗)」
序列で言うと、「蕎麦の精」はかなり低い方に位置する。
しかし何故か癒々の術だけはグイシーが天界一で、誰も彼女に勝てる者はいない。
そのため、重い病気や(治す見込みのあるもの限定)心的外傷を抱える者たちが
グイシーのもとに訪れるのだ。
ふた月に一度、フェイヨンと呼ばれる山の中の都市に降り立つ。
その時に、署名?して順番待ちしていた人々がグイシーの元にゆくのである。
ライルはレンレンの恩師で、逝去後に天界に上げられた天人であった。
ちなみに天人、になるには運と功績が必要で、確率で言うと一万人にひとりくらいの確率でしかなれない。
ライルはレンレンの方を振り返った。
レンレン「 」
場所は変わり。
レンレンの自宅。
ナイトウェアを着て部屋の窓から夜空を見上げるレンレン。
ピュイィィ~ン!!
すさまじい光が目の前を。レンレンの目の前に来た。
身構えたレンレンだったが、、光がとても呼んでいるような気がして
そーっと窓を開けた。(寝ぼけてた
両手がにゅっと出てきた。
「パンパカパ~ン!」
ドッス・・・
レンレンは尻餅をついた。
ぐ
レンレン「グイシーさ・・・ん」
グイシー「来てあげたわよ。フンッ あなたまたひとりで泣いてると思ってさ」
ムッ
レンレン「泣いてなんて。っていうか『また』ってどういう・・・」
グイシー「いいから!こっちいらっしゃいよ。フェイヨンの『ホタルヶ丘』、行かない?」
ホタルヶ丘。
フェイヨンの観光地?でいわゆるカップルのデートスポットである。
レンレン「ゆ、浴衣まで用意してるなんて・・・」
グイシー「だってこういうとこは可愛くいたいじゃない」
ごそごそするグイシー。
「ハイッ」
プーアル茶よ
チャ~ッ
(お代わりしている)
プーアル茶を飲むグイシーとレンレン
しばしの沈黙
チャ~ッ
グイシー「過ぎちゃったことはしょうがない訳。
ま、でも、やったことがやったことだからねぇ・・・」
ズキキッ!
レンレンは心にダメージを負った。
グイシー「まっ 私が何とかしたげる
癒々の術が効かなかったなんて癪だもの フンッ」
・・・
レンレン「(こういうところ含めて『癒々の術』なのかな)」
涼しくも暖かくも感じるグイシーからの風を感じ、ふわふわした気分になるレンレン。
レンレン「!」
気付いたら、プーアル茶が蕎麦湯に変わっていた。
(微妙・・・)