桃色旅行記の目次
       

 

 

 

過ぎ行きし



ぼぉ~っ

オラクル総合学院「ホタル」。

レンレンはそこで様々なスピリチュアル要素のある学問を学び、将来施設を建てようとしている。
かねてより有名な彼女のことなので、お客さんはたくさん入るだろう。

それに備えて、、期待に応えようとここで頑張っている

・・・のだが。

パッシーン!!

ソーサラー(セージの最上位職)の教師に今日もはたかれるレンレン。

クラスメート「どうしたのよー!」

クラスメートB「いっつもぼーっとして!」
クラスメートC「恋でもしてるんじゃないのー」

キャハハハハハッ

・・・

レンレンは態度を変えない。

ぼ~っ


レンレンさん。

「どうかして?私相談に乗るわよ」
教師がフーッとため息をついてレンレンに言う。


いや・・・
大丈夫です。

そう言って教科書に向き直る。


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うっとおしいよ!!

兄のレオンがレンレンの暗い雰囲気に苦情を言った。

「過ぎたことをいちいち。おまえはそんな奴じゃなかったろーが」

・・・うん・・・

レンレンはさっさと部屋に入ってしまった。


・・・

レオンは妹思いである。

「ちっ・・・」
どうしたものかな、と真剣に考え出した。



カチャッ

「あ、、ノック忘れてた。あ、あのさ!」
レオンがレンレンの部屋に来た。


お兄ちゃん。
「どうしたの」


レオンが両手に人形をふたつ乗せ、それをレンレンに差し出した。

「そ、即席で作ってみたん、、だけど。俺ってホラ。器用だし?ハハハ」


片方が空色、片方が桃色。だ。

・・・

レオン「こ、これに念!を込めておいた。えっと」

あたふたするレオンに

うん。
「お兄ちゃん、昔から手先が器用だったけど
本当に上手いね
・・・っていうか即席でこれなんだ(汗)」


レオン「元気だせよ」

レンレン「うん」


レオンはレンレンの頭を撫でた。


手先が器用→鍛冶師→アルフォンス


レンレン「あっ」

アルフォンスを思い出すレンレン。


『ひとりでいたい。しばらく離れたい。
プロンテラの実家にいて、、そこから「ホタル」に通う』

そうアルフォンスに言ってきたのだ。
そして現在に至る。


レオンはそのままレンレンの部屋から去った。



大雨が降った。
そして何日もそれが続いた。

雷も鳴って。


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リンリン「ズッコケさんお久し振り~!」

ズッコケ「よっすぅ!元気かい?」

アルデバラン(国境の都市)で服清め(衣服を清める儀式。3ヶ月に一回必要)をしている時に久し振りに出会ったふたり。

モロン「おいこら」


こっえぇーの。
肩をすくめるズッコケ。

モロン「すぐに男と話すのはやめろ。おまえの(男に対する)話し方は何か気持ち悪いんだよ」

物凄いことを言うモロン。(いつもこう

リンリン「・・・えぇ?ふ、普通ですが。どこら辺が?」

モロン「全部だ!気味が悪いからもう男と話すの禁止」

ズッコケ「おい、、聞き捨てならねーな!部下に対してそりゃねーだろ?」
っていうか普通じゃねーか

割り込むズッコケ。


部下は、、リンリンは無能だ。
「有能になったら考える。こいつ(リンリン)と関わったりしないで頂けるかな」

面倒臭いことを言い放つモロン。


関わりたくねぇ・・・
ズッコケは小さく会釈して「じゃ」と去った。


さすがに傷付いてしょぼーんと服清めをするリンリン。

モロン「すまんな。おまえは『聴こえる』からあまり人と関わっては、と思った」

リンリンは特殊能力がある。
様々な「声」が聴こえるのだ。

動物の声、植物の声、天界や地界の人間たちの声、神々の声。

たまに聴こえてしまい、どうしていいのか分からなくなる彼女。


今、聴いてはいけない声がある。
聴けば、多くの人間が傷付く声が。

その声を聴くことが出来ている以上
「聴こえなくなるまで、、違う。「聴いても何とも思わなくなるまで」・・・人と関わるのはやめた方がいい」

冷静に言うモロン。


「おい、返事は!」
無言のリンリンに大きい声で言うモロン。

「はっはい!!」

落ち込んでいる暇もないリンリン。



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