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小さな世界 | 現代ファンタジー小説

小さな世界 > 第4章「global」

騎士

ナイトライド氏にもらった大切な『エンペリシャスになる薬』。
エンペリシャスとは騎士系最強の職で、現在は滅びている。


色っぽくて綺麗で可愛いアイリーン、
アホなのに格好良いイザムバード。

D層では楽しい想い出がたくさん出来た。あっという間に・・・
と思う花宇。


イザムバード『花宇さん、人間は、思っている以上に考えられる生き物なんだ。
どこまでもね。本当にうんざりするほど。
だから、わざと使わないようにしてるんだ。
生きるために。
脳がそうしてるんだよ』

ある日の森林の街での会話。

お団子を「このお団子の美味しさといったらほっぺたが落ちそうですな~」と
食べ、
「いもむとさん(アイリーン)よりまずい」とため息をついた後、、の会話だ


キリッとした顔になるイザムバード。

『でも、考えられる時はね、考えなよ。その時は来る』


その横顔にぽーっと見惚れながら、しっかりとその言葉を刻み込む花宇。



数週間。
待っていて且つ「召喚魔法」を使っているのにいっこうに彩海が現れない。

彩海とは7つの層を自由に行き来出来る存在で、層を移動する人間を導き、移動させる。


或る時あまり人が来ない、弱いモンスターしかいない森林奥で焚き火をしていると・・・


男性「やった!」

女性「キャーッ!」


驚いた花宇が声のするところに行くと、、
プリースト系の女性が騎士系の男性に覆いかぶさってキャーキャー叫んで喜んでいるのが見えた。

男性は片手にカードを持っている。

男性は激しく怒り、ぼかすかぼかすか叩くのだが、女性が後ろに下がってしょんぼりすると
何で粘らねーんだよ、というようなことを言い、再度女性が同じようなことをすると
きもい!というようなことを言い、女性がまた離れて・・・

というのをずっと繰り返していた。


花宇はイザムバードとアイリーンを思い出した。


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焚き火にあたりながら話をする3人

花宇「そうですかー。エクリプスカードを・・・」

この世界は稀に敵を倒すと「カード」というものが出るのだ。

女性「エクリプスカードってすっごく可愛いんです。
だからウィリアムに取って欲しくて」

ウィリアムと呼ばれる騎士が言った。
「無事取れた!」

どうやら夫婦らしい。
似たもの夫婦はあちこちにいるのかもしれない・・・と花宇は思う。


花宇は言った。「す、素直じゃないのはいけないですよ。
奥さん、せっかく表現してるのに」

そ、それにそれが厭なら厭でいいけど・・・
何もしてもらえないのも厭なんて。どうすればいいのか・・・(汗)

奥さんの言いたいことを代わりに言う花宇。

ウィリアム「あれが僕の表現です」

目を点にして眉間にしわを寄せて「そんなコトも分からんの?」という顔をして睨むウィリアム。


奥さんはエクリプスカードをすりすりして「どうでもいいや」と言った。


ゆらぁ・・・

3人の後ろに人影が現れた。


花宇「あ、彩海さん!」


彩海は姿を徐々に現し、焚き火の傍に来た。


彩海「ウィリアム・ディオン」

はい

全く落ち着いた声で答えるウィリアム。


この世界(D層)では、あなたが一番強い騎士なの。
花宇とあなたに少しの、、縁を持たせたかったの。

ウィリアム「まじか!」


・・・


騎士は日本で言う『武士』よ。

神聖で位の高い職業なの。
「一番強いってこと、誇りを持って」


目をつぶる彩海。
そして開ける。
「騎士、との縁は整ったわね」


眩しい光に包まれる花宇。

「(まだ居たい。まだ、まだ・・・!)」

そう強く思っても、強い強い抗えない力に引っ張られる花宇。



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