イスケヨリヒメという皇后を迎え、3柱の皇子たちを授かった神武天皇でしたが、
実は神武東征をする前に...兄のイツセと東へ東征をする前に、すでに妻がおりました。
子供もいました。
その最初の子供である多芸志美美命(タギシミミ)は、
神武天皇が崩御した時にイスケヨリヒメを妻にしました。
つまりこれは…父の2番目の妻と結婚すると宣言しているのですから、
義理の母親との婚姻です。
しかしこれは、あまり珍しいことではなく、
変な意味ではなく、父に代わって形的経済的に皇后を守る、という意味合いで結婚するという形を取るだけです。
こういうことは多少あったようです。
しかし「皇后との結婚」なのですから、
『次の天皇は俺だ』と宣言しているようなものです。
結婚も、無理矢理そう決めたようです。
イスケヨリヒメと結婚後、
神武天皇とイスケヨリヒメとの間に生まれた3柱の皇子たち...つまり腹違いの兄弟たちを殺し、天皇の座に就こうと画策しました。
その計画を偶然イスケヨリヒメが陰から聞いてしまい、
「息子たちを助けなきゃ」と慌てます。
そしてハッキリとではなく、それとなく歌(和歌)で我が子たちに危機を報せます。
3兄弟たちは母からの報せを受け取り、自分たちの危機を知ります。
3兄弟のうち、
次兄の神八井耳命(カムヤイミミ)と
末っ子の神沼河耳命(カムヌナカワミミ)は
やられる前にやってしまおう!と立ち上がります。
長男は何しているのでしょうね…
アマテラスの長男、オシホミミといい、
古事記では長男、が気弱に描かれている、と覚えておくと便利です。
2柱はタギシミミを追い詰めますが、
その時にタギシミミを討とうとしていたのは次兄のカムヤイミミだったのですが、
直前で震えてしまい、何も出来ません。
震えて何も出来ず、役に立たない兄を見かねて「貸せ!俺がやる!」と兄の剣を奪い
タギシミミを討った末っ子のカムヌナカワミミ。
「俺は震えて何も出来なかった。
ちゃんと敵を倒せたおまえこそ天皇に相応しい」と
兄は弟(カムヌナカワミミ)に天皇の座に就くことを勧めました。
こうして末っ子のカムヌナカワミミは
第2代綏靖天皇(すいぜんてんのう)として即位しました
さて...
こうして2代天皇から9代天皇までは即位年日くらいしか記されておらず、
詳しいことは何も描かれていないので、
謎の八代天皇、ということで、欠史八代と言われています。
2代 綏靖(すいぜい)天皇
3代 安寧(あんねい)天皇
4代 懿徳(いとく)天皇
5代 孝昭(こうしょう)天皇
6代 孝安(こうあん)天皇
7代 孝霊(こうれい)天皇
8代 孝元(こうげん)天皇
9代 開化(かいか)天皇
覚え方は、
綏靖、が「やすらか+やすらか」の意味で、
懿徳(いとく)が「美徳」という意味なので、
とってもやすらかな天皇が、安寧で美徳を持ち、
昭和天皇が安心すると全国の霊たちが元気になる。
そして開花する
みたいな感じです。
受験勉強時の苦労はこういう時に役に立ちます。
あまりに個性的な覚え方をしたので、忘れずに覚えています。
そしてすぐに時代は進み......
10代天皇、崇神天皇の話になります。