小さな世界 > 第1章「妃羽」
惹きつけられるから
うげっ?!
がばっ と起き上がる妃羽。
どこかの部屋にいる。
「(みっ、見つかった!
どうして、どうして見つかったんだろう
草原で寝てたところを、、連れてこられて・・・
睡眠薬でも打たれたのかな。
起きなかったなんて)」
・・・
妃羽「(にしても何なの。この豪華さ。
・・・?
・・・
ギリシャ?の高級別荘地?)」
20~30くらいの別荘地がびっちりとくっついている作りで、
上から下へ階段のように段差がある。
(でっかい段差)
多分
「(ギリシャの高級別荘地を豪華にしたもの・・・
真似たのね
国は何処かな)」
こういう世界で生きてきた人は
マンションの上に住んでいたらそれ下には住めない、、
・・・って原理の、、思考になるのかな
「(私はある意味幸せなのかも)」
しかしあまりに豪華な作りに目の前が暗くなってくる。
同じ人間なのに、何故こんなに世界が・・・
悶々と思考する。
暘谷「あなたがどうでも良くても、周りは困るんです。
もう少し、ご自分の行動を一瞬でも考えて、、
それから・・・」
暘谷のお説教は長々と続いた。
妃羽の言い分を全部聞いた上で暘谷は建設的なアドバイスをした。
~♪
周囲からクラッシックの音楽が上品に流れてきた。
ベートーベン:ロマンス第2番ヘ長調 Op.50
?
その時暘谷は妃羽のしょんぼりした姿を見て思った。
?
この人
~♪
♪♪
♪
クラッシック音楽が突然悲愴めいた曲に変わった。
グルック:精霊たちの踊り
暘谷「(変な女。面白い顔してる)←ひどい)」
ピシッ!?
ん
暘谷「(この人、惹きつけられる)」
愛衣(あいいー。召し使い)「へっぇ~?
魅力的ってことじゃないですか?」
暘谷「さぁな」
暘谷は背を向けながらかったるそうに言った。
夕食の片付けを8割方終え、
後始末時の会話である。
時間が経ち。
電気がポツリポツリと消えていった。
愛衣「暘谷さん、大丈夫ですか?
苦手なんですよねそういう?の」
暘谷「・・・やるしかねーだろ
どっか隔離出来ねーかなあの人」
愛衣「・・・(汗)」
綺麗な寝室。
妃羽「たくさんのぬいぐるみを揃えたいです」
威俐「いいよ
どのくらい欲しい?」
・・・
・・・
<深夜>
キィ.....
「(起こさないようにしなきゃ)」
そっとお風呂の扉を開ける妃羽。
「ハァッ」
苦しそうに息をする彼女。
いつまで・・・
こういう生活が続くんだろ
そして・・・
私は
人間扱いされてない
ザーッ
ザーッザーッ
妃羽がそう考えているのを、そっと見守る威俐。