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小さな世界 | 現代ファンタジー小説

小さな世界 > 第1章「妃羽」

急展開

『君には何の魅力も感じなくなってね・・・』

『本当の意味では何も?
単純にもの欲しそうだったから』

『ただの享楽だった。
そのくらい分かってただろう?』

『君だって楽しい思いをしただろう?
夢を見るには長い時間だったね』


妃羽「(書いておいて良かった・・・
少し安心)」


威俐『本当の意味では何も?
単純にもの欲しそうだったから』

先程の威俐の言葉を思い出す。



少し前に書いたのだ。(冒頭の4つ)
『捨てられた時用に、台詞をあらかじめ予想しておいて、
覚悟を付けておく』


威俐『本当の意味では何も?
単純にもの欲しそうだったから』


何故か少し安心する妃羽。
「この世界」が合わない、と思っていたのもある。

妃羽「(何もかもお腹いっぱいだったもの。こ、これで開放される・・・)」



威俐私室。

暘谷「人を何だと思っているのですか」

早々と迎えておいてすぐに離縁。
相手にも失礼ですよ
良く知らない人だけど!


威俐は黙っている。


暘谷「やっぱり、、愛してらっしゃらなかった・・・」


威俐「違う!」
声を上げる彼。

勘が・・・勘が鈍ってしまったからなんだ!

??
暘谷は固まってしまった。



バサッ

妃羽私室。

パタパタッ
さかさかと(もう切り替え?)荷物を片付けている妃羽。

本を何冊も重ねる。
パサッ


妃羽「(またいつもの生活に、、戻るのね。
上海・・・。
あ、そう)」

前の場所さえ一瞬忘れかけていたようだ。


ハァ・・・
思わずため息を吐く。

『決して怒ってはいけません。世界はあなたの味方です』

「(どうでもいいよ)」

いつかの、アクセサリーショップの店長のメッセージ。。



あることを思い出す。

体が固まる妃羽。

あっ

妃羽「(ま、また本能で勝手に来られたらどうしよう
可能性は考えられる

そ、そういう関係になったらちょっと・・・)」


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コンコンッ
威俐私室にノックが掛かった。


「入れ」
彼は入室を許可。


「失礼します!」妃羽が部屋に入った。


威俐「ん?」

妃羽「本能で、っておっしゃってました。
またその本能が芽生えたら、その・・・困ります」


あ、愛人のような関係になったら厭です。
汚いです。そういう関係。

私はちゃんとした関係だとかがいいと言うか。
ミニ・愛人のようなものは・・・


威俐「不満か」

威俐はそれはそれは鋭い眼光で妃羽を睨んだ。
何だこの莫迦は、とでも言わんばかりの・・・


妃羽は戦慄を覚える。
「(この世界はこれが当然、なのね 恐い・・・)」

空気清浄機の音を聞きながら、ただずっと
去らないでずっとたたずむ妃羽。


ずっときゅっ、と唇を結んで妃羽は言った。
「私は厭です。こういうのは・・・
ですから完全に私を切って下さい」


引き続き、イラつく顔をしながら威俐は言った。
「厭だ。君は私が好きなんだろ」


・・・

妃羽は頭が真っ白になった・・・



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