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現代ファンタジー・創作小説



小さな世界 | 現代ファンタジー小説

小さな世界 > 第1章「妃羽」

何かの記憶

数日後、彼女は謎の倦怠感に襲われた。

月経後のため、自律神経が敏感に作用していると思われる。


妃羽「(偽りの世界。早く無くなって欲しい)」


♪♪
~♪♪

「何かをする」行為。

『森』『風』など様々なものをピアノで表現する、ということをしだした妃羽。

♪♪


指が勝手に動く。

その痛さと満足感に目の前がちかちかし出す彼女。

♪♪


この、、運命を。

ピアノで表現したい。

美しく・・・はかなく・・・


妃羽「(はかなく?私この世界を捨てたいの?)」


めまいがする妃羽。

この世界を突き破り、何か別の世界があるような感覚が支配する。

ガチガチガチッ
鍵盤の上で小さく音が鳴った。



ジャンッ

妃羽「全然駄目っ」

両手で顔を覆う妃羽。

音はピアノの音だ。


妃羽「(何だろう。イヤなことを思い出しそう
・・・やっぱり私この世界の住人じゃ、無い気がする)」


妃羽「(安定剤が、あったな・・・)」

カラカラカラッ
ゴクッ

・・・え?

安定剤を飲んだか飲まないかぐらいのところで何かを思い出した妃羽。

「(杖を振っていた?あれは・・・?)」


威俐への曲。

別世界の人への。壁にぶつかるような、切ない想いを聞き苦しい程に奏でた曲。


たまに、ぼんやりとした感覚に陥る。

霧の中を歩いているような。



妃羽「ハッ」

ガバッ

ベッドの上だ。

キョロキョロと辺りを見回す。


威俐「気付いたか」
ベッドの横に威俐がいた。

ずっとピアノの部屋で寝ていたらしい妃羽。


威俐「大丈夫?」


ふっ
ポロポロポロ・・・

威俐「・・・?」


どうしたんだ
ぎゅっ、ときつく妃羽を抱き寄せる威俐。


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愛衣「そういう時はぁ~
音楽ですよ♪」

愛衣。
ピアノとフルートが得意な召し使いである。


~♪ ♪ ♪
ポロロン ポロロン♪

ニコッ

妃羽「・・・」

夕方。
愛衣がピアノの部屋で白いドレスでピアノを弾いて歌った。
(ドレスは妃羽のリクエスト)

何処かで
「(何処かで聴いたことあるような。この曲)」


ポロポロポロ

妃羽「(何処かであの涙を)」

自分の涙を思い出す彼女。


愛衣「妃羽さん、大丈夫ですか?」

駆け寄る愛衣。


愛衣も知っている。
暘谷さん、、?と同じ。何処かで


バタッ


・・・倒れてしまった妃羽。



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