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現代ファンタジー・創作小説



小さな世界 | 現代ファンタジー小説

小さな世界 > 第1章「妃羽」

台風初日

妃羽自室。

良く知らないのにパジャマを着ちゃうなんて・・・
馴れ馴れしい・・・

どうして?

私どうしてしまったのだろうか・・・
こんなに馴れ馴れしい人間だったっけ?
なんかおかしい気が・・・

とても不思議な感覚になる妃羽。


ぎしり、とベッドに入る。
妃羽「(疲れたー・・・
明日は、、鈴玉(りんゆー)さんに調べてもらったものから、、勤め先をチョイスしてー
ちゃんと考えておかないと)」

鈴玉(りんゆー)=愛称トマト。召し使いのひとり。


ごろごろっとベッドの中で転がり、落ち着かなく動く妃羽。

妃羽「(次何の本読もうかな。んーと・・・)」

頭の中で暘谷の部屋で見つけた本を思い出す彼女。


えーとあれは・・・


ガチャリッ


ハッ

妃羽「きゃっ」
丁度何故かオカルトもの(超常現象もの)を思い出して飛び起きる妃羽。

暘谷「・・・え?
俺音すごかった?」


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自分の誕生日忘れるか普通!

妃羽「叩きすぎです・・・2発目ですよ」
頭を押さえる妃羽。

ふたりは室内のテーブルの椅子に腰掛けている。

召し使いふたりは少しだけ遠くの部屋にいるが、
「(声聞こえるのでは?それはそれでいいけど・・・)」
と妃羽は心配した。

カサッ
暘谷は包みを開けた。

暘谷「・・・これ選んでたら遅くなって」


見ると、綺麗な白いケーキであった。

他に、オルゴールであった。

妃羽が手に取ると、

いつか妃羽が創作していた曲「森林」がとても良くて、
それをオルゴールにした、とのことである。

暘谷「これを選んでいたら遅くなってしまったんだけど
いいかな?」

下を向いて言う彼。

「・・・まぁ(汗)」

暘谷「サプライズがサプライズになるとは・・・
(※部屋でのこと。先程の)」


妃羽「わぁー美味しそうですね。
白いケーキ」←無視

暘谷「し、白いケーキは
その、白家(ばい。暘谷の家)に、君が入るから」


しばらくして。

妃羽「メリー・クリスマス!」

暘谷「・・・ハッピーバースデイ・・・」


鈴玉と雅月(もうひとりの召し使い。愛称レタス)は
音に気付いて、遠くからふたりを見守っていた。

雅月「何か喧嘩しているのかと思ったけど
何もなくて良かった ケーキいいなー」

トマト(=鈴玉)「そうですね。しかしおふたりは明日大丈夫なのでしょうか。
お早いのに」

ふたりはふわふわした寝巻きで、
トマトが桃色、レタスが薄緑色である。



暘谷「はい、「大人用」のシャンパン」
(↑少し闘争心)

チンッ
ふたりはグラスとグラスを合わせた。

妃羽「ハッピーバースデイ!」

暘谷「うん(苦笑)」


司書ぉ?
暘谷は声を上げた。

ええ、
今職探しをしているのですが。そんなに驚くこと?
もぐもぐ食べながら妃羽が言う。

暘谷「そんな別に。・・・あのさ
ピアノ、どうかな?」

ガチャッ
妃羽はフォークとナイフを落とした。(お皿に)

ぽかーんとした顔。
妃羽「ピ、ピアノ?
そんな私には好きな「本」が」


(間)


箇条書きにすると。

1、暘谷は妃羽のピアノが好き。
2、たくさん作曲?していって欲しい
3、ライフワークにしてもいいかも


ぽかーんとし続ける妃羽。

暘谷「わ、悪いかよ
あの『森林』良いから・・・」

ガタッ!と立ち上がる妃羽。右手には変な形でフォークが握られている。

・・・

少し恥ずかしくなる妃羽。

妃羽「え、えーと
わ、私はその。ピアノ頑張ります。
で、でもその。
本が好きなんです」


が~ん・・・


生まれて初めて女性に振られたような、すごい気持ちになる暘谷。


「(かなり勇気出して言ったのに・・・)」


(間)


暘谷「じゃーもうー。おまえなんかいい!
買ってきてやるんじゃなかった!」

落ち着いたホワイト・クリームの部屋がどんどんチョコレートのように(空気が)なっていった。


妃羽「そっ、そんな(←喧嘩し疲れ)私の自由でしょ!
あなたが決めることじゃ!」


声が聞こえるほど喧嘩している。(防音だから大丈夫だと思って好き放題)
(でも妃羽の部屋は防音ではない)


レタス「お部屋帰んなくちゃ」

トマト「ご主人への礼儀作法を書いたレポートをきちんと書かなくちゃ。
すぐに。明日にも妃羽さんに」


恐怖の後に待っていたのは "台風" であった。



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