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現代ファンタジー・創作小説



小さな世界 | 現代ファンタジー小説

小さな世界 > 第3章「ミルフィーユ」

大邸

花宇(清子&沙耶子)を送り出してから
シュンユーは住み処に帰った。

先程、清子と沙耶子を送り出したが、
層ごとに時間が混沌、となっているので、
今現在は清子は務めを終えているかもしれないし、
或いは今、清子が廃寺で兄と共に本を探しているかもしれない。


「(時間を識(し)る、、大変よね)」



シュンユーは魔法使い。
途方も無いくらいの本がある。


右手の人差し指で「トンッ」と本と叩くことで内容を全部知ることが出来る魔法を使う。

次に「覚えた内容を忘れない魔法」を使う。
(強度がある)

幼い頃から『本を読む魔法』というものを習い、その魔法によって本の知識を習得するのだ。

→そしてその知識によって『魔法』を使う。


1、魔法を覚えるための「本読み魔法」を覚える
2、本を読む
3、魔法の知識を吸収
4、魔法を使える


しかし、膨大な本を未だ全部読破出来ていない。
(恐らく一生かかっても読破出来ないだろう)


魔法使いたちは世界でも数百人しかおらず、そこの広い広い土地で、ひとりひとり大きな邸を
持って、そこでひたすら魔法を覚えて「違う世界のために、働く使命を果たすために」生きている。


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ミスティ・パープル(B層の食べ物。霧で出来ている)を食べながら、シュンユーが言った。

あの方、が選んだだけあって。
魅力的な「キャラーズ(選ばれし者)」ばっかりね。

竹流「だねぇ」

・・・

たけちゃん、お気に入りのキャラって誰?

ガタッ
シュンユーが立ち上がった。

スタスタ絵本コーナーに歩いて行く。

パタパタと竹流が追い掛ける。


シュンユーの肩に止まり。

シュンユー「私は、『鴻日』」
竹流が言う前にシュンユーが言った。

「たけちゃんは?」
シュンユーが訊く。


竹流は「これ、っていうキャラはいないなぁ
みんながそれぞれ良いところあるし」
と、実に詰まらないことを言った。

そのまま奥の本棚に移動するシュンユー。

そういえば・・・
愛花さんて面白いね。
D層だったかな

「あんなに凛々しかったのに、後になって許婚とどうこうなったら
まるで性格がね フフッ」

あーそういえば変わったね。確かに。
と竹流。


トンッ
少し読んでいた本をパッと戻すシュンユー。

「個性って面白いわね」


そういえばさ
「沙耶子さんて出てきたじゃない さっき
清子、の第2の人格と言うか」

「?」
シュンユーが振り向く。

竹流が首を捻る。

「ひょっとして、、ほらお祭りの時に妙に目立つって
あれって沙耶子さんが出てたんじゃないかなって」

スタイル抜群で少し変な状況になっていた「清子」のことを思い出した竹流。

・・・
「かもね
封印されていたはずだけど あの時」


<第4書室>

世界に散らばる「不条理な出来事」を解明し、謎を解いて整えることで、
世界の動きをなめらかにする知恵が納めてある部屋である。

テーブルの椅子に座り、魔法でも読めない難度の高い本を読むシュンユー。


「ふぅーん・・・たけちゃん」

竹流「え?」

シュンユー「分かったわ。たまに隠れた人格が出てくることがあるんだって
その人を守るために。
『清子』を守るために必要なことだったみたいよ」


パタン、と本を閉じるシュンユー。

「IQ180の人の考えることは良く分からないわね」


ピンッ
「あれじゃないの?『異種を嫌う』っていう人間の本質ってあるじゃない
あれじゃないの?
少し人と違う、、って言っちゃ言葉悪いけど。そういうの」

竹流がIQ170の頭脳で考える。

・・・

そう。「スタイルが良い」っていう異種にして守ろうと。
さすが。頭良い子ね

そういうことで、人を遠ざけようと。
つまりそういうことだ。
沙耶子なりにテキトウに清子を守っていたようだった。


すぐに階段を降りて行くシュンユーだ。


竹流「そういえばシュンちゃーん!
誰呼ぶの?」


振り向いたシュンユーが言った。
「決まってるじゃない」



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