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小さな世界 | 現代ファンタジー小説

小さな世界 > 第4章「global」

ラピュータ

大河ドラマ(清子の世界にもあった)に出てきそうな大広間。

「もうすぐ、お父上様がいらっしゃいますよ」と諭弦。

畳の匂いがぷう~んと漂う。

花宇「(だ、誰が畳替えとかメンテナンスとかしてるんだろう
寝てる間に妖精が出てきて・・・?ぶつぶつ)」


「こんちゃー」

奥から、何で西洋の燕尾服なんだよ、という服装の男性が現れた。

ひっ
思わず声が出る花宇。

花宇「あ、あ、あ、あ、←何言っていいか分からない」


男性「こんにちは。私が変なおじさんです」

花宇「(どこがあぁぁぁ??!こんな素敵な人が)」
頭がぐらぐらする花宇。


あ、えーと
名前紹介してなかったね
してたんだっけ?

諭弦「いえ、まだ」

諭弦は手を差し出してまず花宇を紹介した。
「こちらは先日の、C層からいらしたという「サヤコ」さん」

男性「ああ、サヤコさんね。サヤコとサヤコ。サヤサヤ」
(※清子と沙耶子を言ってるらしい)

花宇はひたすらもじもじして下を向いていた。

「やだ!下ばっかり見ないでよ!」
男性はひざ同士をくっつけた。


諭弦はさすがに苦笑して・・・。
男性を花宇に紹介した。


『千条院 遼一(せんじょういん りょういち)』

遼一「りょうちゃん、とでも呼んで下さい」


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お茶の間のようなところでくつろぐ一同。

急に「(な、、んか緊張するかも)」
もじもじする花宇。


遼一「会わせたいのは山々なんだけど、あの子はどうもそういうのがね。
気分があるみたいで」

ふざけていたくせに、イケメン顔になる遼一。

諭弦「糸として選ばれた以上は明確な意思とか説明だとか・・・礼儀にもなりますし」

遼一「(会うのが筋だろうと言いたいのか。何言ってるのか分からなかった)」


『糸』・・・か
遼一がひじを付いて言う。

遼一「何で選ばれたんだろうね。きっと良い子だったんだろうね」

諭弦が言う。
「主が選んだ方です。最高・・・の人ですよ」

ボッ
花宇が赤くなった。
「そっそっそんなっ あっあっあっ」あたふたする彼女。


あの最高の魔法使いさんを「感じた」人ですからね

花宇「(ま、魔法使いさん?あ、シュンユーさんか)」


花宇は慌てて諭弦に聞いた。
「シュンユーさんはB・・・層ですよね。
魔法使い?
ここで生んだ?のですか」

ハッ
「御免なさい。ベラベラと」
体を硬くさせる花宇。

諭弦が言う。
シュンユーさんをまず「創る」のが主の大仕事だった。

遼一が腕を組み、うんうんと頷く。

遼一「あの魔法使いを生んで、願い事が叶うみたいなね」


・・・

いつの間にか暖かい室内。
先程まで少しだけ寒かったのだ。


「(どうして、部屋があって、暖房だのがあって
国だの建物があるんだろう。人がいないのに。

でも・・・聞けない)」

いてっ!
急に花宇に電撃が走ったようになり、彼女は頭を押さえた。

『秘密は「天空に浮かぶ島」よ。それで全て解るわ』

花宇「(沙耶子さん!)」

ガタッ
諭弦と遼一が腰を上げる。
「どうかなさっ・・・」
「どうしたの!」


カッコォーーンッ

心配するかのようにタイミング良く鳴るししおどし。


目を回し、「らいじょうぶれす・・・」というのが精一杯な花宇。


ホーホケキョッ

外には、何故か竹流がいてひと声鳴いた。



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