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小さな世界 | 現代ファンタジー小説

小さな世界 > 第4章「global」

be...

花宇は混乱していた。

(※ここはあべこべな日本庭園)

う~ん・・・ 悩む花宇に、諭弦が「どうかしましたか?聞きますよ」と言った。


くるっと振り向いて現実的なことを言う花宇。

「・・・学校とか会社とかあるんですよね?
家族とか・・・病院とか、、役所?とか」

諭弦「・・・」


「無いですよ」優しく言う諭弦。


なっ
「(何でっっ!何でっっ!!何で・・・こんなに優しく笑えるの・・・)」


花宇「そ・・・うですか」
野暮なことを聞かない花宇。

主はそういうものを破壊しましてね。

花宇「破壊・・・?」


続きを聞きたいのにその先を言わない諭弦。


えっと
「差し出がましい、、ようですが。
そういうもの(学校とか会社とか)ないと、社会は回らないのではないでしょうか

さ、差し出がましいのは分かってます(汗)」


そうですよね
やはり優しい顔の諭弦。


花宇「(ここが現実だって思えない・・・素敵なところだけど。
ん?
私口調こういう感じだったかな。何か違うような
・・・花宇になったんだ)」


スッと立ち上がる諭弦。
「宜しければご案内致しますよ。どうでしょうか」


あ、はい
「(話、一歩も進んでないのに)」

慌てる花宇。


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ごうんごうん.....

巨大な飛行船。「飛空艇」と呼ばれているようだ。


諭弦「日本ですね(行き先)」

花宇「はっはい、日本国民ですから」

・・・

窓から見える、空に浮かぶ巨大な島。
下には雲が広がっている。

「(寒そう・・・)」と思う花宇。
同時に、落ちたらどうなるんだろう?と思う彼女。

「(土地があるのかな?ただの空間があるだけ?・・・B層に行ったりして)」



生きる者も、死んだ者も、悪も、善も、優等種も、劣等種も・・・
いなければいけない存在。そして「だった」。

ひとりも「いてはいけない存在」などいなく
「善だからいていい」
「優等だからいていい」
訳ではなく。

「いなければいけなかった」

花宇「・・・」


飛空艇の音を忘れる花宇。


忘れないで下さい。
忘れてもいいです。

It must be present.(いなければならない)


花宇は言う。
「私はA層にいます。現実の人間ですか?」

諭弦「もちろんですよ」


C層の人間だった。けれど主にとても気に入られ、
沙耶子ともどもA層に上げられた。

諭弦「本当に、あなたが、あなたたちが「現実にいて欲しい存在」だからです。
主が本当にそう願って、そうなった。
現実の、人間ですよ」


じわっ.....

清子だか沙耶子だか花宇だか分からない涙が目を覆う。


「おや、着いた」
面白い形をした天守閣のお城が見えた。


花宇「ごふぁっ.....」
日本の文化を凝縮させたような美しい景色が見える。

まるでミニチュア日本・・・を見てるみたい きれい
と花宇。


諭弦「主のお父上にお会い出来ますよ」

花宇「え"ーっ!」
声を上げる。


窓にへばりつきながら言った。
「そ、そんな簡単に?」


ニコッ
「ええ」
と諭弦。


一生忘れられない程の美しい桜吹雪の中を、飛空艇は降りていった。



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