小さな世界 > 第4章「global」
受け取り
本だらけの、狭い部屋。
部屋一面茶色。
丸いテーブルがある。
奥の方に別の部屋に行く通路がある。
そこは空色っぽい感じであった。
トンッ
シュンユーがテーブルに美しい杖(多分メインの杖)を軽く打ちつけた。
本棚から何かを探し、ある本を取り出してテーブルに置き、
空洞になった本棚のスペースに手を突っ込み、何かを探すシュンユー。
「あった」
見ると、それはきれいな小さいボトルのようであった。
「・・・今のあなたにはきついかもしれないけど、聴いてみて」
シュンユーは花宇にそれを渡した。
?
「(聴いて?)」
花宇が疑問に思っていると。
シュンユー「歌うのを聴くのがかったるい時は『飲む』ことで歌を味わうの
お手軽よね」
?
何故か少し怖い感じがして落ちないようにボトルを持つ花宇。
シュンユー「飲みなさい」
ふわっと温かい空気になったと思ったら
パシャンッ!と空気全体が細かい破片になるような錯覚。
ズッ.....と後ろに下がる花宇。
トンッ
丸いテーブルにシュンユーが杖を打ち付けた。
主の思い、絶望、そして希望。
烈火・・・
カツカツッ.....
室内を軽く歩いてシュンユーが言った。
シュンユー「全部、『主』の想いを私が歌ったの」
しゃがみ込んで、だらだら涙も拭かずに泣く花宇。
(そういう細胞?にされている)
シュンユーが奥の方に行った時に花宇が気付いた。
「何処かで、、聴いたことがあるような曲がある」
サッと両手を耳に当てて思い出そうとする花宇。
花宇「・・・間違いない。この曲タラタ~ララッラ♪って知っている」
『森林』
シュンユーが言った。
・・・
シュンユー「主の、こころだからね。
それ」
テキトウに杖をくるくる振るシュンユー。
B層からG層まで。
その曲は細胞まで刻まれているのよ。
妖艶に笑うシュンユー。
気付くと、まるで三日月のような乗り物に乗せられ、遠くに運ばれる花宇。
「何も、ないでしょ
私たちの世界」
かなり上から見下ろす形になっており、下の様子が良く見える。
花宇「でも、スッキリしてて良いです。見やすいし」
とは言え、かなり高いところなのでガクガクする花宇。
シュンユー「次は、『D層』に行ってもらうわ
C層は元いたあなたの世界。糸は通ってるはず だからそこ」
花宇はシュンユーの方を向いていたが、前を向いた瞬間、凄まじい程のまばゆい光が迫った。
う.....
起き上がる花宇。
「え?」
さらさらさら...
目の前にはきれいな川が流れていた。