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小さな世界 > 第5章「知られざる」

粉雪の中

小さい頃からすでに爺さんぽかった正は、様々な世の法則を知っていた。
疑うことを知らないからである。

疑うことを知らないと、だまされることがあるが
彼は全くダメージを負わなかった。

そのためずーっと物事だとか人の言うことだとかを信じ
いつしか「本当」「嘘」の見極めが上手くなった。


妃羽「・・・さ、さすが」

正「層世界というのは本には載っていませんでしたが
上から5番目というのは知っていました。何となく」

正の元の世界(E層)である。


(ちなみに理々と裕也の元の世界でもある)


7層を行き交う女性、彩海。


それは粉雪が舞い散る冬の日。


彩海『アナタはGさんぽいからG層が似合うわ。
いや、、(汗)そうじゃなくて。この世界はあまりにもあなたには詰まらない。
もっと難しい世界の方が楽しいと思うの』

空から来る天女。
1、自分の頭の何かが見せる幻覚
2、本物

「(どちらでも面白そうだ)」
人に迷惑を掛けなければ大丈夫だろうと思う正。


正は当然お断りした。平穏無事に過ごしたいからである。

しかし正は1年後に、彩海に恋をしてしまったことに気付いた。
「(もう一度会えるにはどうすればいいんだろう)」

強く、G層とやらに行きたい、と願った。


さらに1年後、彩海はやってきた。

正は「あなたが好きです」と言った後で
生産性が無いかもしれない、と思った。

彩海「ええ、私もあなたが気に入ったの
嬉しいわ」
笑顔の彩海。

しばしの静寂。
粉雪がふたりを侵食する。


僕を
「G層に行かせると思った理由は何でしょう
(そして周りに大迷惑が掛かる)」

彩海は言った。
「或る女性がいて、その人を助けて欲しいの
あなたならその人、警戒心ゼロになると思って」


彩海「あなたのような方がG層に行けば、きっと
G層が良くなるわ」

正「(どういうところなのだろう)」

彩海「あなたのような落ち着いた方はとても貴重です」


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妃羽「・・・」
一連の話を聞いた妃羽。

正は1年掛けて周囲を説得、「遠いところに行く」「深い事情がある」
と言って深く突っ込んできたら、
世界中のあちこちの土地に住もうと思う、と言った。

元々野暮なことは全くツッコまない周囲と、
この人なら大丈夫だろう、と信用を受けていた正。

「それでも説得は1年掛かりました。周囲全員だもんねー」
とミキに話し掛けた。

上品にお酒を再度口にする正。
やはりミキが「私も私もー」とパンパン正を叩いた。


中国の名家の執事、という立場、
そして中国語が話せる語学力。を彩海は操作した。

いずれ「その女性」がそこに来るから、である。

そうして正はこの世界、G層に舞い降りた。

彩海との恋?は本当に両想いで、最初かわされたと思っていた正だったが、
真実を知って感銘を受けた。(無表情で)
神?に『有難う御座います』と祈りを捧げ、正の恋は終わった。



正「(結局僕の昔の話ばかりになってしまった。
何の話をしていたんだっけ)」


未生命から生命への攻撃が始まっている。
主人公である妃羽さんにその兆候が出ている。
→いずれ地球に影響が出る

である。

妃羽への攻撃をどう防ぐかは全く分からず、うーむと考える正。

林先生にはかかられたんですよね。
林、とは、妃羽が先日かかった心療内科医の名前で、中国人である。

妃羽「え、ええ」


・・・

「(生命、、未生命が攻撃って)」
正が帰った後で考える妃羽。

正『人が生まれる確率は無に等しい』


妃羽「(それだけ、生命ってすごい存在なのね)」



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