小さな世界 > 第5章「知られざる」
トライロア宮にて
ルーリー「もーお"ー。全然夢消せない。何なのー?」
B層。
トライロア宮殿という『魔法力を強く影響させる場所』。
竹流「ダメだねぇ」
シュンユー「妃羽さん困ってしまうわ」
わいわい。
ミスティ・バード2(食べ物)が出たんだってー
何ソレー
っていうかこれいいの載ってたよー
わいわい
B層の魔法使いたちの声が聞こえる。
しばらく黙っている3人。
ルーリーがやっとしゃべる。
「G層、人数増えすぎたんだろうね
だからその分の未生命も多く・・・」
ポンッ
人差し指の先から丸い和風のおもちゃを出し、シュンユーが言う。
「妃羽さんを助けられない以上、もっと上級の夢魔が必要だわ
ランランさん・・・ね」
バッとシュンユーの方に振り向く竹流とルーリー
パシュッ
シュンユーは丸いおもちゃを両手で軽く潰した。
・・・
そ、れは
「やめた方がいいんじゃないかな。私はそう思う」
竹流は腕を組む。
うーん・・・と考えるルーリー。
本気で悩んでいる様子。
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ランラン。
B層の上級夢魔である。
あまりの正義感の強さに、C~G層の人間たちへの夢に植える罪悪感を凶悪なものにしてしまった・・・
という過去を持っている。
夢を消し去る技術も一流で、消さずにその人間にとって試練であった夢でさえも、消してしまった。
悪人を裁きすぎ、善人を救いすぎ、で長らく謹慎処分を受けていた。
そんな夢魔である。
シュンユー「あの人しか・・・いないんじゃないかな」
竹流「あの人はやめた方がいいと思う」
竹流はビシッと言った。
ルーリーが驚いた顔をする。
竹流は次のようなことを言った。
1、確かに未生命に襲われている妃羽を助けるのは大事
2、しかしランランの力と激しさは半端なく、返って未生命を刺激してしまうかも
3、じゃ、どうするかだよな!
わいわい
あー!ルーリーちゃん!
後ろから魔法使いのひとりがルーリーに向かってテクテク歩いてきた。
振り向くルーリー。
「うっほー○○ちーん、こんっちゃー♪」
ルーリーは「ちょっと抜けるねーすぐ戻るから♪」
そう言ってスタスタとその魔法使いと遠くに行ってしまった。
ごくごく、と飲み物を飲むシュンユーと竹流。
竹流「あれだね、子供好きだからね、ルーリーさん」
・・・
ジェムストーンである妃羽に異変があれば、命じられている魔法が使えない。
シュンユーと竹流には痛い問題であった。
シュンユー「たけちゃんが夢魔だったらいいのにね」
霧に囲まれた景色を見ながらシュンユーがだいぶだら~んとした顔で言う。
え?何だって?
竹流は魔法でも解読不可能の趣味の本をバサバサ揃えていた。
夢魔。
悪人が夢を見たら、今までしたことの罪悪感をそっと植え付け、
善人が夢を見たら、『夢を消す』。体力が消耗しないように。
C層以下で語られる「夢魔」像とは全く異なる。
ルーリー「B層独特のものなのよね~
主しかB層のこと決められないし」
アイスのようなものを食べながらルーリーが言った。
(戻って来た)
がやがや.....
ふ~ぅ
空を仰いで考えるルーリー。
・・・
・・・
結論を下した3人。
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ランラン国邸。
ちなみに、A層はG層の7倍、
B層はG層の6倍、
C層はG層の5倍、
D層はG層の4倍、
E層はG層の3倍、
F層はG層の沖縄本島くらい、
の大きさがある。
G層の6倍あるB層に、魔法使いつまり「人間にあたる存在」は
700~800人しかいない。
つまりひとりの『住み処』は途方も無く大きい。
ゆえに『国邸』と名付ける。
とても、荘厳な雰囲気の邸の前。
慈悲と、規律と切断。
そんな圧倒的な秩序が・・・3人の目の前に厳然と立ちはだかっていた。


