Ragnarok Online derivative works
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- 第1話:アルフォンス
そこは、モスコビア(美しい礼拝堂と皇宮で彩られる街)の深く、凶悪なモンスターが至るところに生息しているところだった。
「うふふ、こっちだよーん」
モンスターたちをからかいながら、めったに倒さずに追いかけっこをして、
疲れたら、元の道を戻って、そこの小屋で休む。
「なぁーにを、してるのかな?君は」
突然声を声を掛けられて、びくっとして昼寝から体を起こすレンレン。
「君がね、モンスターたちをからかってばかりいるから、
すっかりモンスターたちが凶悪になってしまったんだよ。
もう、見ろよ、この傷とか!」
差し出されたホワイトスミスの腕は引っかき傷だらけだった。
(※ホワイトスミス=鍛冶職人の上位職)
「ご、御免なさい」
「なんでこんなところでこういうことやってるのかな。お嬢さん。
君みたいな子供が来るところじゃないぞ」
「お嬢さんて。 私、子供じゃないもん!子供に見えるけど、ちゃんとソウルリンカーだし、レベルだってカンスト(MAX)だもん!」
ソウルリンカーは霊魂を操り、様々な職業の人間を支援する魔法を掛けるという職である。
「分かった分かった。もうおうちにお帰り。ご両親だって心配して・・・」
「フルアドレナリンラッシュ!」
しゅぴぴぴぴぴん!
フルアドレナリンラッシュとは、ソウルリンカーの出す魔法スキルのひとつで、
鍛冶職人系職を強化する。
「いっいつの間にパーティ組んだんだ・・・」
パーティと言って、グループ契約のようなものを結び 狩りをする場合があるのだが、
パーティを組むことで掛けられる魔法やスキルがある。
レンレンはあごを突き出して言った。
「子供がパーティ組んだりソウルリンカーになれる訳ないでしょ」
ホワイトスミスはしばし考え込んで言った。
「君の名は?」
「レンレンよ」
「僕はアルフォンス」
「さっきレベルがカンストだって言ったね。
公平が組めるな。
・・・ん、そういえば何故君はモンスターをからかっていたんだい?」
公平=レベルが近い者同士でパーティを組み、狩りをすると平等に経験値(レベルアップに必要)が配られるという制度
それを聞いてレンレンはムッとするような哀しげなような、複雑な表情を見せた。
「どうだって、いいじゃないの」
ぷんっ、とそっぽを向くレンレン。
「どうだってよくないぞ。俺は君のパーティメンバーなんじゃないのか?」
「じゃ~パーティ解散しましょうか??」
目をぱちくりさせるアルフォンス。
「やはり君は、中身は子供だな。
す~ぐに短気を起こしてこれだ」
「紳士たるもの、淑女のプライバシーに必要以上に立ち入るべからず、よ!」
「俺、すごく傷を負わされたんだけどな、モンスターに。
聞く権利ぐらいはあってもいいと思うんだが」
レンレンは諦めたようにため息をついた。
「いいわ。男前なホワイトスミスさんに免じて教えてあげる」
「うん、是非教えてくれ」
むしゃくしゃしてたの。
誰かを怒らせたくて怒らせたくて・・・
「たまってたと。 ストレスが」
その原因は?と聞いたら
パパとママが仲が悪くて哀しかったと。
冷戦状態で、私は何のために生まれたんだろうと思っていたと。
「(この顔何処かで見たような…)親御さんを知っているような気がする。
失礼だがお父さんのお名前は?」
失礼だがお父さんのお名前は?」
「ウィリアム・ディオンよ」
「嗚呼やっぱり。有名な人だ。あのルーンナイトか・・・」
「パパのこと知ってるの?」
(※ルーンナイト=騎士。騎士系の最上位職)
「君は、もしかして誤解しているのではないのか?とてもそんな冷たいような人には・・・」
「でもママを泣かせてばかりいるわ」
「んー何でなんだろう。・・・大人には色んな事情があるからな」
「ママの名前は?(こっちも知っていればいいが)」
「エリザ・ディオンよ」
「おーあのアークビショップか」
(※アークビショップ=聖職者。聖職者の最上位職)
「ママのことも知ってるの?」
「知っているもなにも、結婚する前は、、
君が生まれる前のことなんだけど、レオナルド皇子が狙ってるって噂があった人だぞ」
フンッ!
腕を組んでレンレンはつまらなそうに言った。
「レオナルド皇子に取られちゃえばい~のよ~だ」
「何を物騒なことを・・・ 君はパパが嫌いなのかい?」
「大っ嫌いよ!」
「あはは、俺、、結婚するの怖くなってきたな(娘がこうだったら生きていけない)」
「ねぇアルフォンス、私が結婚してあげてもいいわよ。
子供産めないけどね」
「ん~~俺は大人っぽくて胸も大きくて色っぽい子が好みなんだよねぇ」
うぇぇぇ?
レンレンが呆気にとられてヘンな顔をする。
レンレン「こんのバカ!」
ばてぃこ~~ん!
アルフォンス「ぐっ!ぅうぅぅう STR90! は痛えぇぇぇ!」
STRとは、筋力を表す値である。
様々なステータス値があるが、(素早さとか)
純粋な「力」を意味する。
アルフォンス「(な、何で)」
子供だからって侮れない、、と傷を押さえるアルフォンスであった。