Ragnarok Online derivative works
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- 第2話:ソードメイス屋
プロンテラ。
ルーンミッドガッツ王国の首都である。
街に入ってすぐに、商人の露店でひしめいている。
レンレン「うっわぁ、都会ってこういうのを言うのねぇっ」
アルフォンス「すごいだろ。しっかしすごい熱気だな」
レンレン「ねぇーっ?お風呂入りたくなっちゃうよう」
プロンテラに来たレンレンとアルフォンス。
レンレンはおおはしゃぎだった。
ふと思い出したように、レンレンが走り出した。
アルフォンス「おいっ、どこ行くん・・・」
追い掛けるが、全く追い付けない。
アルフォンス「なっ、どーゆー脚してんだ・・・」
レンレンが行ったのはとある一角だった。
「もう本当にないんだ・・・」
呆然とするレンレンの後ろから、はっはっ と息を切らすアルフォンスの声が聞こえた。
アルフォンス「どうした?ここに何かあったのか?ぬいぐるみ屋とか」
レンレン「んもう!失礼ね。・・・ソードメイス屋よ」
ソードメイス屋?
アルフォンスは首を傾げる。
(※ソードメイス=鈍器)
レンレンは遠くを見るような、切ないような顔をした。
その横顔は10歳の少女ではなく、20代の女性のように見えた。
また、レンレンは走り出した。
アルフォンス「勘弁しろ!ジョイナー並みの脚力とか無理!」
ふと振り返った時の花のような美しいレンレンの顔。
やはり10歳の少女ではなかった。
アルフォンスは不思議な感覚でレンレンを追い掛けて行った。
・・・気付くとふたりは、とある屋根の上に座っていた。
綺麗な夕焼けね、とレンレンは言う。
それより、レンレンの横顔の方がずっと美しかった。
アルフォンスは自分は本当にロ○コンなのではないかと疑い始めて
軽くショックを受けていた。
レンレン「ねっ、アルフォンス。どうして、、私がホワイトスミス好きか、教えてあげよっか」
アルフォンス「んっ・・・そういえばホワイトスミス好きだったな。ブラックスミスでもなくメカニックでもなくホワイトスミスとは・・・」
鍛冶職人職は、まずブラックスミス → ホワイトスミス → メカニック、と上がってゆく。
中間子好き?
アルフォンスは首を捻った。
レンレン「さっきのねぇ、ソードメイス屋さん、、って言ってたとこあったでしょ?」
アルフォンス「うん」
殴りアコライトさんのために開いていた露店、、だったの。
と説明するレンレン。
アコライトとは、聖職者の、一番最初になる職業である。
初心者聖職者とでも言うべきか。
レンレン「他の職人さんはもっと強い武器とか作って儲けているのに、
その人はず~っとソードメイス作ってたの」
アルフォンス「へぇ。ソドメが好きだったのかな」
レンレン「でぇ、普通よりもずーっと安価な値段で売ってたんだぁ」
アルフォンス「はぁ」
レンレンはとびきりの笑顔で話し始めた。
レンレン「ある時ね、我知らず話しかけたの。
何故、ソードメイスばかりお作りになるのですか。って」
亡くなった母が、殴りアコライトでした。
貧乏でソードメイスすら買えなくていつもメイスで殴っていました。
ですから、、こうして安価でソードメイスを売っていれば、
亡くなった母が喜んでくれるのでは、と思いまして。
レンレン「って言ったの」
アルフォンス「母の時期に殴りアコライト、、、幼妻だったのかな」
レンレン「だと思う。貧乏ってのもそこらに原因があるのかもね」
アルフォンス「だが、いい話だな」
レンレン「でしょー。・・・すごく優しい笑顔だった・・・」
夕焼けは益々強くなる。
レンレン「でもある日突然いなくなっちゃって・・・」
アルフォンス「おっとっと」
レンレン「探したら、風の噂で、、お母様と同じ病で亡くなったって・・・」
アルフォンス「・・・」
レンレン「それ以来、あの人がずっと、私の胸の中に棲んでいるの」
アルフォンス「ホワイトスミス好きっていうのはそこから来てるんだな」
レンレン「んっ」
アルフォンス「どうだ?俺がその二代目、、ソードメイス屋、なんていうのは」
レンレン「私の腕力に耐えて、私の脚力に追い付けるようになったらね」
アルフォンス「む、無理ー!!!!!」